2018年2月27日火曜日

[ITmedia ビジネスオンライン] 大学生の読書離れが浮き彫りに 「1日の読書時間0分」過半数に出版社も危機感

 全国大学生活協同組合連合会は2月26日、全国の大学生の生活実態調査を発表した。53.1%が1日の読書時間を「0分」と回答し、大学生の読書離れの加速が浮き彫りとなった。過半数が「0分」と回答するのは読書時間を問うようになった2004年以降初めて。

過半数が「1日の読書時間0分」(=全国大学生活協同組合連合会)

 1日の読書時間の平均は23.6分(前年から0.8分減)と3年連続の減少。一方で、1日に120分以上と長時間読書する層は引き続き存在しており、読む人の平均は51.1分と、前年から2.5分長くなっている。「読む人」と「読まない人」の二極化が進んでいるともいえそうだ。

 読書時間減少の原因として、スマートフォンの影響を挙げる声もあるが、同会によると「調査年ごとの読書・スマホ・勉強時間の推移を算出し、読書との関係の有無をみたところ、読書時間減少にはスマホ時間による直接的な強い効果はみられない(効果があるといっても極めて弱い)」という。

 では何が大きな要因となっているのか。同会は「14年を頂点として読書習慣のある学生は年々減ってきており、1年ごとに読まなくなってきていることが確認された」と分析し、大学生の高校までの読書習慣が全体的に下がっていることが影響を与えているとしている。

書籍費も過去最低に

 アルバイトによる収入は自宅生・下宿生ともに増加。月の教養娯楽費や貯金額も増えている。その一方で月の書籍費は自宅生1340円(支出に占める構成比2.1%)、下宿生1510円(同1.3%)と、金額・構成比ともに1970年以降最低となった。

自宅生の1カ月の生活費(=赤枠は編集部加工)
下宿生の1カ月の生活費(=赤枠は編集部加工)

 出版関係者は「本は本来安価なメディアであったはずが、映像やゲームなどのより安価なエンタメが増えていることで、相対的に『コスパが悪い』と思われるようになっているのでは。横断的な雑誌読み放題サービス『dマガジン』や『コミックDAYS』のようなサブスクリプション(月額定額制)モデルが1つのカギになってくるだろう」と語る。

 また「これまでは読書好きに対しての施策を多く打ってきていたが、本気で新規開拓に向き合う施策を打っていかなくてはならない」と危機感をあらわにした。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



ITmedia 総合記事一覧で全文を見る

0 件のコメント:

コメントを投稿