数十秒しかありません。冷静に、正しい順番と付け方を思い出してください。
みなさんは飛行機の酸素マスクの正しい使い方をご存知ですか? テイクオフ前に客室乗務員が身振り手振りで説明してくれるアレです。
わたしはこれまでに幾度となく飛行機に乗ってきましたが、うろ覚えでした。これって実はすごく危険、本当に危険なことなんです。自分ひとり危険ならまだしも、他の乗客まで危険に晒してしまうかもしれないんです。
今日は、ある写真が伝えた酸素マスクの正しい使用方の認知度の低さと、そこに潜む危険性をお伝えしたいと思います。是非、今後の空の旅にお役立てください。
サウスウェスト航空1380便が緊急着陸したのち、ツイッターに投稿された一枚の写真とコメント。
PEOPLE: Listen to your flight attendants! ALMOST EVERYONE in this photo from @SouthwestAir#SWA1380 today is wearing their mask WRONG. Put down the phone, stop with the selfies.. and LISTEN. **Cover your NOSE & MOUTH. #crewlife#psa#listen#travel#news#wn1380pic.twitter.com/4b14lZulGm
— Bobby Laurie (@BobbyLaurie) 2018年4月17日
「みんな、客室乗務員の話を真剣に聞いて! サウスウェスト航空1380便に乗ってたこの写真のほとんどの人が間違ってマスクをつけている! 電話を置いて、セルフィーなんて撮ってないで客室乗務員の話を聞いて! マスクは"鼻と口"を覆うんだ!!! 」
この写真は元々、問題の1380便に乗っていたマーティ・マルチネスさんが事故当時の様子をフェイスブックに投稿したものです。
乗客たちは緊急事態発生時に上から降りてくる酸素マスクをつけていますが、ほとんどの人が間違ってつけているのだそう。それに気づいた元客室乗務員で現TVショーホストのボビー・ローリーが、ツイッターで注意喚起しているのです。
酸素マスクを間違ってつけたくらいで… と思いますが冗談じゃありません。命に関わります。しかも即効で、秒単位で!
高度1万5000フィートでは、人間は呼吸困難に陥ります。血液中に十分な酸素を供給できなくなり「低酸素症」になってなってしまうのだそうです。そうなると数分(一説には数十秒)で意識を失ってしまうのだとか。
バタッと意識を失うだけならまだマシ(それだけでも問題ですが)。オーナーパイロット協会によると、吐き気、不安、視野狭窄、頭痛、疲労、目眩、かすみ目、皮膚感覚異常、痺れ、精神混乱といった症状がでるそうです。こうなると他の乗客の避難活動を妨げてしまいますよね。
今回、1380便は窓が破損したことで気圧が急激に下がり外気と同じくらいになっていました。そうなると空気は希薄になり、結果的に肺の中の酸素の量が急激に減少します。なので、濃度100%の酸素が出てくるマスクで鼻と口を覆い、酸素に富んだ空気を肺に送り込んでやることが大事です。そうすれば意識も保てて、客室乗務員の指示に従って避難行動も取れます。
それと、付ける順番も大事です。たとえお連れの方がいたとしても(お子さんでも)、まずは自分に付けてください。お連れの方があなたにマスクをかけられるとは限りませんからね。
大切な命を守るため、あの安全ビデオの説明は一言も漏らさずきちんと聞いて置きたいですね。
Image: Twitter
Source: IFLSCIENCE!
(中川真知子)
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