SMSに代わるリッチコミュニケーション
RCS(リッチコミュニケーションサービス、Rich Communication Services)は、携帯電話において、SMSに続く標準的なコミュニケーションと目されているサービスです。
SMSは手軽に利用でき、国内外で愛用されてきました。しかし2018年現在となっては制約が目立ちます。たとえば、もっと高い解像度の写真や大きなサイズのファイルを送ったり、グループチャット、相手がメッセージを既読かどうか知ったり、通話中にライブ動画やビデオを送りたいという要望もあるでしょう。
こうした昨日は、すでにさまざまなメッセージングアプリで実現しています。RCSは、通信事業者が提供する機能・サービスとなり、そうしたアプリのライバルとも言えます。
RCSはいくつかの国ですでに商用サービスとして提供されています。すでに韓国のKTやLG Uplus、SKテレコム、あるいはフランスのOrangeなどでは「joyn」という名前で、またスペイン・英国・ドイツなどのvodafoneでは「Message+」という名前でサービスが提供されています。
RCSは、自分と同じキャリア(携帯電話事業者)内だけではなく、他社ユーザーとも、相互接続していれば、やり取りできます。
ドイツテレコムやテレノール、Telia Company、ボーダフォンらは相互接続しています。2月からは、AméricaMóvil、Rogers Communications、Sprintがネットワークの相互接続を開始されました。2018年2月現在、世界17カ国22のネットワークにわたって相互にメッセージのやりとりや、グループチャット、ファイル共有ができる状態になっています。
世界で使えるサービスへ
RCSの仕様は、2007年5月、欧米の携帯電話事業者らによって設立された「RCSイニシアティブ」からスタートしました。2018年現在、携帯電話事業者の業界団体であるGSMA(GSM Association)の「RCSグループ」が標準化を進めています。
その活動により、2016年11月、相互運用性について定めたRCSの「Universal Profile」の初版が策定されました。ユニバーサルプロファイルとは、RCSで使用される高度なコミュニケーションのための仕様で、世界的に合意されたものです。つまり、世界中、どの事業者とも同じ方法で相互接続できることを保証しようというものです。これによって、事業者間の調整などをしなくても、これに準拠すれば世界中のスマートフォンでお互いにマルチメディアメッセージやチャットなどが可能となるのです。
これには、日本のNTTドコモ、KDDIを含む世界55の事業者、11の端末メーカー、そしてマイクロソフトとグーグルが賛同しています。
送信するには、相手の電話番号がわかっていれば、SMS同様の感覚でメッセージや、チャット、ファイルの送受信などができます。また、送信相手の電話が契約している事業者がRCSに対応していれば、違う事業者間でもRCSの送受信が可能です。スマートフォン版のユニファイドメッセージングともいえるサービスです。
端末に関して言えば、Android OSの場合、2017年3月の「Carrier Services」のアップデートが行われているか、それ以降にリリースされたOSを搭載していれば、AndroidメッセージアプリでRCSを送受信することができます。(OS自体が最近アップデートされていませんが)、MicrosoftのWindows 10 mobileでは標準でサポートしています。
RCS Universal Profileでは、グーグルが「Jibe RCS Hub」と、ドイツのボーダフォン、ドイツテレコムとの間でダイレクトな相互接続を実現しています。Jibe RCS Hubは、キャリアがRCSを迅速に立ち上げて容易に拡張できるように設計されたプラットフォームで、現在は、Sprint、Rogers、Telenor、ボーダフォンなどが利用しています。
RCS自体は、IMSの応用として古くから議論されてきたサービスなのですが、ここにきて端末やコアネットワーク側の準備が整ってきたことから、最近になって注目されるようになってきたのです。
ケータイ Watchで全文を見る
0 件のコメント:
コメントを投稿