慶應義塾大学環境情報学部の山口真吾研究室と、情報通信研究機構(NICT)、防災科学技術研究所(NIED)は2018年4月12日、防災・減災分野へのAIの導入・普及を目指して、「人工知能(AI)を活用した災害時のSNS情報分析のための訓練ガイドライン(暫定版)」を共同で策定し、公表したと発表した。現在、慶應義塾大学のWebサイトで公開されている。
近年、災害発生時には、被災者がSNSで災害に関するさまざまな情報を発信していることから、災害応急対策を行う機関は、こうしたSNS情報を活用することで、災害の状況判断や活動の優先度判定などを迅速かつ効率的に行うことができる。
一方、例えば東日本大震災当日(2011年3月11日)のTwitter投稿は約3300万件に上ったとされており、限られた人数の職員が膨大な投稿の中から重要な情報を選び出すことは難しいため、この解決策として、既に人間が使う「ことば」をコンピュータに処理させる自然言語処理技術を活用した「対災害SNS情報分析システム DISAANA(ディサーナ)」が実用化されている。
災害時にSNS情報を確実に活用できるようにするには、防災訓練にSNS情報分析システムを取り入れ、災害時の切迫した状況でもシステムを間違いなく使用できるように備えておく必要がある。そのために今回、SNS情報分析システムに関する訓練ガイドラインを策定し、公表に至ったという。
今回公表したガイドラインは暫定版であり、今後の技術革新の動向やSNS情報分析システムの社会実装の状況などを踏まえて、内容を見直していくとしている。
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