Planet Computersはタッチタイピング可能なフルキーボードを搭載するスマートフォン「Gemini PDA」を展示している。Gemini PDAはクラウドファンディングを通じて製品化されていて、ようやく先日出荷が開始されたばかりだ。この種の製品としては珍しく、日本語向けキーボードや日本の技適認証を用意していて、日本でも利用しやすくなっている。昨年のMWCのタイミングでは、同時開催のスタートアップ専門イベント「4FYN」でデザインモックアップを展示していたが、今回はMWCに出展している。
Gemini PDAは小さい筐体にキーボードを収めるために、いくつかのキーが省略あるいは移動した、専用デザインのキー配列を採用している。キー配列デザインは各国語にあわせて複数のモデル用意されていて、出荷前に選ぶ形式になっている。
日本語キーボードにはかな表記もあり、ローマ字入力とかな入力の両方を利用できる。英数字以外の記号としては「、」「。」「:」の3つがあり、それ以外はSHIFTキーなどとの組み合わせで、「ー」(ハイフン/音引き)は「、」+SHIFTキー入力に割り当てられていた。
キー配列については用途や個人の癖に左右されるところだが、筆者個人の考えとして、「ー」は「、」「。」と同程度によく使うキーだから「:」と入れ替えるべきでは、と担当者に意見したところ、そうしたユーザーフィードバックを得て改善していきたいと語っていた。
ただし現状ではようやく本体の出荷が開始したばかり、ソフトウェアも一部開発中の段階で、開発リソースが足りず、キー配列の変更には対応できていないという。将来的にはキー配列のカスタマイズツール提供や交換キートップ販売なども検討したいとのこと。ちなみに日本からの出資者は全体の3割程度と、日本のユーザー比率はかなり高めらしいので、日本ユーザーの声次第のところもありそうだ。
キーボードはメンブレン方式のようで、中央以外をプレスするとやや斜めになった。キーピッチは普通のキーボードに比べるとかなり狭めだが、小さめキーボードに慣れていれば、すぐにでもタッチタイピングができるレベルだった。キーボードが全体的に小さめということもあり、両手で握っての親指タイピングも可能だ。デモ展示機に日本語入力アプリを入れて貰ったところ、スムーズに日本語入力ができ、CTRL+Iよるカナ変換などのショートカットも利用できた。ただし現時点ではソフトウェアが開発中で、一部記号入力は正しく行えなかった。
Gemini PDAはクラウドファンディングプロジェクトが成功済みで、最初の出資者から順次出荷を開始している。現在もクラウドファンディングサイトIndiegogoで数量無制限の販売も行われていて、価格はWi-Fi+4Gモデルが599ドル(約6.5万円)、Wi-Fiモデルが(約5.4万円)で、各種オプションも用意されている。原稿執筆時点では4月出荷と表示されている。ちなみに筆者はやや遅く、今年1月の出資で出資者番号は5000番台だが、出荷は4月末ごろになるとのことだった。
本体のサイズは171.4×79.3×15.1mmで重さは約320g。ディスプレイは2160×1080ピクセルの5.99インチ。プロセッサは最大2.6GHzの10コアでシステムメモリは4GB、内蔵ストレージは64GB。標準ではAndroidを搭載するが、Linuxなどにも対応予定。ブースではDebian、Ubuntu、Sailfish OSのデモが行われていたが、開発中バージョンではスマートフォン向けを前提としているSailfish OS以外は音声通話やデータ通信には対応していなかった。
ディスプレイ背面側のパネルは取り外しが可能で、その中にmicroSDカードスロットやSIMカードスロットがあるほか、カメラ拡張用のコネクタも用意されている。標準ではフロントカメラのみだが、60ドル(現在は先行価格で49ドル)で5メガピクセルのバックカメラを追加できる。
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