先週、ぞっとするニュースが流れました。NHKのニュースによると、交際相手のスマホの指紋認証ロックを「寝ている間に指を押し当てて」解除し、そこに位置情報が分かるアプリを「勝手にインストール」して、ストーカー行為を行う――という犯罪が起こったのです。
交際していた女性のスマートフォンに位置情報が分かるアプリを勝手にインストールし、別れたあとも付きまとっていたとして、29歳の男が警視庁に逮捕されました。男は、女性が寝ている間に女性の指をスマートフォンに押し当てて指紋認証によるロックを解除していたということです。
よく話題になる“生体認証の弱点”を突き、よく語られる“スマホのリスク”を具現化してしまった格好の事件です。「相手の居場所が分かるアプリを勝手にインストールしたい」という、本能に根ざした悪意の下では、不正アプリのインストールを止める仕組みも役に立ちません。いくら画面ロックをかけようが、手元からスマホを離すまいが、寝ている間はどうしようもないのですから……。
スマホは持ち主にも分からないことを、こっそりとできてしまう――。犯人はそれを知っているからこそ、こんな犯罪を思い付いたのでしょう。@ITのセミナーで聞いた「動機、正当化、そして機会の3つがそろうと不正が行われてしまう」ということを地で行く事件だと思いました。
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