公正取引委員会で開催された、携帯電話業界に関する有識者会合の資料が公開された。2016年夏のレポートを踏まえ、国内の携帯電話市場に関する課題が今、どうなっているか新たに議論するための場と位置づけらている。
4月13日に開催された会合は非公開だったため、どんな狙いがあるのか、明らかにされていなかったが、今回開示された資料では、論点の例が示されている。そうした点から、公取委が問題視する部分がある程度見えてくる。
事務局が用意した資料の論点は6点
事務局側が用意した資料を見ると、議論の対象となるのは「通信契約と端末販売の分離」「端末へのSIMロック」など6点。携帯各社にもそれらの論点に質問し、回答もあわせて開示されている。
- 通信契約と端末販売の分離
- 端末へのSIMロック
- 期間拘束・自動更新付き契約など
- MNOの通信網など(HLR/HSS)に対するアクセス
- 端末購入にかかる割賦契約
- 中古端末の流通促進
たとえば料金プランについては、「割引(端末購入補助)は抑制されるようになったが、料金は基本的に値下がりしていない」「割引しないかわりに通信料を通常より安くするプランがあるものの、端末購入が条件になる」として、NTTドコモの「docomo with」や、auの「ピタット/フラットプラン」に対する問題を提起する格好。
また中古端末の流通促進や期間拘束の面から、残債があっても新機種へ切り替えられるサービス(auのアップグレードプログラムEXなど)は4年間の契約となり、その影響をどう考えるべきか、と指摘する。
携帯会社の反論
公取委側が示す論点に対し、携帯各社はどう反論するのか。公開された資料によると、たとえば「端末をセットで購入せずにMNPするような場合にどんなキャンペーンをしたのか」という問いに、「端末をセットで購入したいユーザーが大半。セット購入せずにMNPしたい人が多数いればそういったキャンペーンを検討する」(NTTドコモ)と回答。
SIMロック解除に関して、公取委側が「端末の持ち逃げがあってもネットワーク制限などで対処できるのではないか」と指摘する。これにたとえばソフトバンクは、SIMロックをかけているのは割賦債権の回収などのためで、割賦販売は高額になるスマートフォンを買いやすくするため、とコメント。ユーザーが求めれば解除できる環境はすでに用意されている、としている。
携帯各社への質問・回答として公開されている内容は、通信契約と端末販売の分離、SIMロック、中古端末に限られている。4年縛りなど、今回新たに取り上げられる内容については、第2回以降の会合で取り扱われることもありそうだ。
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