NECは2018年度中に執行役員クラスの人事報酬制度に成果主義を導入する。最後までやり抜く実行力ある組織づくりの一環として、業績目標の達成度合いに加え、経営のスピード感を重視するという。同社ではこれまでも成果主義を導入してきていたが、「さらにメリハリをつけた報酬制度にする。ゆくゆくは従業員も含めて導入する予定で、まずは上から変えていくことで企業文化そのものを変えていきたいと考えている」(同社広報)。
今回の経営陣への成果主義導入は、「経営の結果を厳しく問う」とした「2020中期経営計画」を具現化したものだ。中計では、想定していた以上に既存事業の落ち込みが顕在化したため、国内の間接部門やハードウエア事業領域で3000人の希望退職を募るとしていた。「経営陣の責任と権限をより明確にし、結果へのコミットメントを強化」(2020中期経営計画)する方針で、経営陣には業績に応じて昇格だけでなく降格も検討するという。
また、同社は4月16日に人事や企業文化の改革に取り組む「カルチャー変革本部」を新設した。人事評価・報酬制度に成果主義を取り入れ、結果を出した社員が報われるものにするという。同本部の人員は10人強で、日本マイクロソフトなどで人事部門の責任者を務めた佐藤千佳氏を本部長に置く。慣習化した業務プロセスの見直しに加え、管理職者を対象に部下の成長を促すためのコーチングスキルを養う教育を実施する予定だ。佐藤氏はかつてGEやマイクロソフトなどの外資系企業に在籍し、組織開発の分野で実績がある。
「管理職者は自分が上司から評価を受ける立場であると同時に、部下を評価する立場でもある。部下に対して正しい目標設定をして実行を促すためには、まずは上が変わる必要がある」(同社広報)。従業員への成果主義導入は2020年頃までに詰めていく。
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