Facebookにはじまった仮想通貨やICOに関する広告掲載禁止の流れは、世界最大のアドネットワークを持つGoogleや日本のアクティブユーザーが多いTwitterにも波及している。
Facebookでは、仮想通貨やICO、バイナリーオプションの広告を禁じる新しいポリシーを発表しており、同社が手がけるInstagramやAudience Networkも同様の措置を取るとしている。Googleも、米CNETの報道によると「仮想通貨と関連コンテンツ(新規仮想通貨公開、仮想通貨取引、仮想通貨ウォレット、仮想通貨取引アドバイスなどを含むが、これに限定されない)」を6月より禁止するという。Twitterでは、「Twitterコミュニティの安全確保」を目的とし、ICOやトークン販売の広告を禁止する新しいポリシーを追加する。
Twitter Japanに確認したところ、取引所やウォレットなどの広告は引き続き掲載できるものの、金融庁が施行した改正資金決済法による仮想通貨交換業登録を受けた事業者に限定されるとしている。Googleでも、自国または広告の対象となる国の金融当局の認可を得ることに加え、その広告やランディングページが「AdWords」のポリシーに準拠しているかが広告掲載に必要となるという。
一連の米IT企業の動向に関して、国内検索大手でありディスプレイ広告「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」を運営するヤフーに確認したところ「(仮想通貨系の広告掲載を禁止にするかどうかについて)まさしく検討しているところ」とコメント。Googleの「Google Display Network」を含めたディスプレイ広告大手2社が禁止となれば、国内のウェブサイト上でも仮想通貨系の広告を見る機会は減るだろう。
こうした流れをFinTechスタートアップはどのように見ているのだろうか。仮想通貨のウォレットアプリを手がけるGincoは、「仮想通貨やICOは、まだ始まったばかりの概念で、どこまでをOKとして、どこまでをNGとするかの線引きはまだまだ難しいところ」としつつ、「投機目的以外での仮想通貨やブロックチェーン技術を活用したビジネスが生まれてきていることを考えると、広告出稿できないというのは、ビジネスのグロースおよびマーケット自体を広げていくという観点から痛手であるのは間違いない。マーケットの発展のためには、媒体側もリテラシーを高め、禁止するのではなく健全な場の提供をしていく必要性を感じている」とコメントした。
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