国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、KDDI、KDDI総合研究所は2018年3月26日、次世代移動通信システム「5G」を用いて、スタジアムで5G対応のタブレット端末50台に4Kの高精細映像を同時配信する実証実験を行ったと発表した。大容量の4K映像を安定して配信できることを確認したという。
実証試験は、2018年3月5日から3月9日まで、沖縄県の沖縄セルラースタジアム那覇で実施した。スタジアム内に28GHz帯の基地局を設置して、観客席全体をカバーする実験用5Gエリアを構築。観客席に用意した50台の5Gタブレット端末に4K映像を同時配信した。映像視聴端末にはサムスン電子の「5G エンドツーエンドソリューション」を使用。5Gタブレット端末の国内での使用は初めてになるという。
KDDIらは、既存のモバイル通信では実現が困難だった多数の観客に向けた大容量映像の同時配信が5Gによって可能になるとし、スポーツやコンサートなどの映像をモバイル端末や大型スクリーンにリアルタイム伝送するなど、エンターテインメント分野への活用を見込む。今後、自由視点映像でのリアルタイム配信なども検討し、映像伝送技術の高度化を目指すとしている。
なお、今回の実証実験は、総務省が推進する「周波数ひっ迫対策のための技術試験事務の実施」における「第5世代移動通信システム等の導入に向けた技術的検討(5G総合実証試験)」として実施。ATRが総務省の技術試験事務における5Gの総合実証試験を請負い、KDDIは5Gのエリア設計と評価、KDDI総合研究所は4K高精細映像配信システムの開発を担当した。
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