脳波に反応してアームが動く「脳波キャッチャー」を、コンテンツ制作ベンチャーのピラミッドフィルムクアドラ(東京都港区)が「第4回 先端デジタルテクノロジー展」(東京ビッグサイト、4月6日まで)で展示している。猫や夜空、ラーメン、水着のおねえさんなどさまざまな画像を見せ、脳波から読み取った感情を、アーム操作に反映させる。アームの動きで感情を可視化できるのが特徴だ。
耳たぶと額にセンサーを当てて脳波を取得する米NeuroSkyのヘッドセット「Brainwave Starter Kit」を使う。クレーンゲームの筐体には、正面から時計回りに、「EXCITE」(興奮)、「LIKE」(好意)、「RELAX」(くつろぎ)、「HATE」(嫌悪)という4つのゾーンを用意。例えば、興奮すると脳波計がそれを検知してEXCITEの方向へアームが動いていく。
4台のコンピュータを使い、それぞれ(1)アーム内部のマイコンに取得した脳波を縦/横軸の座標として送信する、(2)筐体モニターに画像を出力する、(3)スタート時に押す筐体ボタンの情報を送信する、(4)脳波計で取得したデータをBluetooth経由で受け取る、といった役割を担う。
60秒の制限時間内に、猫、真夏のビーチ、水着のお姉さん、お化けなどさまざまな画像が表示されていく。記者が体験すると、どの画像を見てもほとんど「HATE」の方向にアームが動いた。無意識なレベルで世の中にある大体のものが嫌いなのかもしれない(?)が、ほとんどが「LIKE」「EXCITE」方面に動く人もいたため、そのときの気分や体調などが影響するのかもしれない。ちなみに記者はなかなか脳波が計測できず、測りやすさについても個人差があるようだ。
クレーンゲームは、「最後まで平常心(座標中央)を保っていると景品をゲットできる」というもので、最後にはアームが勝手に動いて筐体内に置かれたカプセルをつまみ上げてくれる。
脳波キャッチャーは、アートイベント「東京デザインウィーク」やドワンゴ主催の大規模イベント「ニコニコ超会議2016」の民進党ブースなどにも出展してきた。クレーンゲーム以外の活用については、映画館のロビーに設置されたディスプレイに作中のカットを表示してお客さんの心の揺らぎを見たり、アイドルのライブ会場で、出演アイドルの画像に別の美女も混ぜて観客の脳波のゆらぎをチェックしたりといったアイデアを考えているという。
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