新型iPadが発表、発売された。
噂では「低価格iPad」と言われていたが、ふたを開けてみれば価格は据え置き。しかし、機能的には大幅にアップし、コストパフォーマンスに優れたモデルに進化した。
この記事について
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年3月31日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
特にApple Pencilが使えるようになったのは大きい。これによって、教育現場には、紙のノート代わりとしての提案が可能になった。実際にiPadを使ってみると、書き心地などはiPad Proと比べて、さほど遜色はない。これまで「iPad Proに興味はあるが、高価なのが難点」と諦めていた人も、新型iPadであれば選択の余地があるのではないだろうか。
メディア的には「教育現場向け」という論調が強くなっているが、学生だけに使わせるのはもったいなく、当然のことながら一般ユーザーでも満足して使える製品となっている。
iPadを筆頭としたタブレット市場はこれまで成長が鈍化しつつあったが、新型iPadの登場により、市場が活性化されそうだ。
今回、アップルは教室向けのソリューションとして、教師が生徒たちの学習アプリの進捗状況を確認できるツールを紹介していたが、そのなかで、「プライバシー」を強調していたのが印象的であった。「アップルは生徒の情報を見たりはしない。生徒のプライバシーは守られている」と表明。
Chromebookで教育現場に強いグーグルや、昨今、Facebookで5000万人の個人情報が流用されニュースになっていることを意識した発言なのは間違いない。
特にChromebookはクラウドベースでサービスが提供されているため、生徒の情報はクラウドに筒抜けになっている。Facebookも人間関係はすべてクラウド上で処理されている。
一方、アップルはiOS11.3をリリースしたばかりだが、アップデートする途中にもプライバシーに関するページが出てくるなど、「個人の情報を勝手に活用することはしない」ときっちりとアピールしてきている。
アップルの教育向け機能は、端末内だけで処理したり、校内のネットワークだけで完結するようになっている。
日本ではあまり個人の情報がクラウドで置かれていることに対して、神経質になったり、大きな話題となることはほとんどないが、やはりアメリカではそのあたりの問題意識が高いのだろう。
日本の教育現場でも、2020年に向かって、生徒にコンピューターデバイスを配るという機会が増えるだろう。しかし、日本の場合、機器選定がどうしても予算ありきで進んでしまうため、結局、現場で使いにくい機器が採用されて、活用されずに終わると言うことも多い。
日本でも教育現場で「プライバシーが守られるか」という視点で、今後、機器選定が行われていくのか。アップルのメッセージが日本の教育関係者に届くのか、気になるところだ。
ITmedia 総合記事一覧で全文を見る
0 件のコメント:
コメントを投稿