先日、ゲーム攻略サイトが「コピペ」で情報を盗まれるという騒動がありました。きっかけとなったのは攻略情報として作成したマップ図版が、バレないようにトレースされて使われていたこと。その内容に関してはねとらぼの記事も参考にしてください。
このような「バレなきゃ問題ない」というマインドはモラルハザードを引き起こし、最終的にはインターネット全体の不信をまねくことになると思っていて、個人的には大きな懸念があります。今回は「バレなきゃ問題ない」がいかに問題なのかを考えていきたいと思います。
連載:ITりてらしぃのすゝめ
「身近な話題を例にITリテラシーを高めていこう」がコンセプト。さらっと読めて人に話せる、すぐに身につく。分かりやすさ重視で解説。小ネタも扱います。
個人の熱意ではなく“金”で書かせる バレにくい「ステマ」という問題
まずは「ステルスマーケティング」を考えてみます。私が編集者として先輩から初めてレクチャーを受けたとき、記事には2つの種類があることを学びました。1つは編集部が作り出す「編集コンテンツ」。これは編集者や記者が学んだこと、感じたことを編集部の責任で作り出すものです。もう1つは「広告コンテンツ」。これはスポンサーが付き、スポンサーの意向をくんだ内容で、スポンサーの責任で編集部が作るものです。当然ながらお金を出すスポンサー側が内容をコントロールできるため、特定のサービスや製品の利点を強調し印象づけるためのものになります。もちろんウソはいけませんが。
この2種の記事は、明確に区別される必要があります。それはそうですよね。もし何か製品を推す記事があったときに、それがその製品を作り出した企業がスポンサーになっているか、単に編集者が好きで好きでしょうがない熱い記事なのか、ぱっと見は区別が付かないからです。そのため、良識ある編集部であれば後者の広告記事に必ず何らかのマーク、例えばITmediaならば「PR」「企画広告」などの表記が付いているはずです。
さて、ここで問題になるのが「お金をいただいているにもかかわらず、編集部が独自で作り出したかのように見える」記事です。これは読者からは通常の記事に見えますが、実際は特定の企業や団体から書く内容を指示された上に、その見返りとして企業から金銭の供与があるわけです。しかも、表面上は証拠がなく、読者にバレにくいことが悩ましい手法です。通常の記事をいくら更新しても直接の収益を得ることはできませんが、この方法ならば記事をあげるたびにお金がもうかるわけです。
読者から見えないところに隠れて宣伝活動することから、ステルスマーケティング(ステマ)と呼ばれます。これは良識ある編集部/ライターが絶対にやってはならない、読者への裏切り行為といえるでしょう。
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