インプレスのシンクタンク部門、インプレス総合研究所は、定額制音楽配信サービスの利用実態を調査し、結果を明らかにした。
調査はスマートフォン・タブレットで回答するインターネット上のアンケートを利用、3月5日~9日にかけて調査が行われた。対象は2万271人で、定額制音楽配信サービスの利用ユーザー向け実態調査は有効回答数が1300人。
有料プランの利用率は約14%、利用経験者は33%
定額制音楽配信サービスの利用率は、2017年3月の前回調査から2.2ポイント増の14.1%になった。これはトライアルを含む有料プランの利用率で、無料プランのみの利用は6.5%、過去に使っていたことがあるのは12.4%となり、これらをあわせた利用経験者は33.0%になった。
性年代別にみると、有料プランを最も利用するのは男性の50代で、利用率は18.3%だった。男性40代が17.9%、男性20代が17.6%と続き、男性の利用が高い傾向が明らかになった。一方、無料プランのみを利用するのは、女性の10代が12.7%となり、ほかの世代より突出して高い比率だった。
スマートスピーカー保有者の約43%が有料プランを契約
スマートスピーカーの製品名を挙げた上で、世帯での保有、あるいは知っているかどうかを聞くと、世帯での保有率は7.4%だった。スマートスピーカーがどのような製品かを知っているのは27.3%、名前を聞いたことがあるのは28.9%で、保有率とあわせた認知度は63.6%に上った。
保有しているスマートスピーカーについては(複数回答)、Google Home/Google Home Miniが39.2%、Amazon Echoシリーズが32.4%、LINEのClova WAVE/Clova Friendsが21.6%と続いた。
スマートスピーカーを保有しているかどうかで、定額制音楽配信サービスの利用率を見ると、保有している人の有料プランの利用率は43.1%と高く、保有していない人の11.8%と大きな差が見られた。
利用しているサービスはPrime Musicが中心、若年層はLINE MUSIC
有料・無料のプランを問わず、定額制音楽配信サービスを利用していると回答した人に詳細を聞くと、メインで利用しているサービスは、Amazonの「Prime Music」が36.4%で1位になり、「Spotify」(16.5%)、「LINE MUSIC」(11.3%)と続いた。
有料プランに限定すると、メインで利用しているサービスは「Prime Music」が前回調査から7ポイントも伸び、47.6%で1位になった。以降は「Apple Music」(10.6%)、「LINE MUSIC」(8.1%)、「Spotify」(7.3%)、「dヒッツ」(5.1%)と続いた。
性年代別では、男女の13~19歳と女性の20代では「LINE MUSIC」の利用者が最も多いという傾向が明らかになっている。
スマートスピーカーで利用頻度が拡大
定額制音楽配信サービスの利用頻度については「ほぼ毎日」が20.5%、「週に2~3回」が18.7%と続き、週に複数回利用するのは65%、10代では80%前後になるなど高い利用頻度になっている。
サービスを利用するデバイスについては、本調査がスマートフォン・タブレット上で回答する仕組み上、スマートフォンでの利用が大半を占めた。一方、スマートスピーカーも8.9%と一定の割合を占め、スマートスピーカーで利用する人は利用頻度が増えたとも回答している。
楽曲数が拡大、オリコン人気アーティストは「dヒッツ」
サービス内容と楽曲数などの概要をまとめると、洋楽を含む総楽曲数が多いのは「Apple Music」の4500万曲以上、「LINE MUSIC」の4400万曲以上、「AWA」の4300万曲以上など。4000万曲以上を配信するサービスは前回調査の2サービスから6サービスにまで拡大した。
サービスの不満点では「好きなアーティストの曲が配信されていない」が1位に挙げられるが、これに関連して、国内の人気アーティストの指標として「オリコン 2017年度年間ヒットランキング アーティストトータルセールスTOP100」を用い、TOP100に含まれる“国内人気アーティスト”の数でみると、「dヒッツ」が79アーティスト、「うたパス」が77アーティストで、前回調査同様に大手通信キャリアのサービスが充実している結果となった。なお、すべてのサービスで“国内人気アーティスト”の配信は増えており、サービスが国内向けに進化・充実している様子も明らかになっている。
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