特集「あの職場が“楽しい”理由」:
「仕事が楽しい!」と思って働きたい。多くのビジネスパーソンがそう思っているのではないだろうか。みんながイキイキと働くことができれば、職場に活気があふれ、生産性向上も期待できる。社員が楽しく、快適に働くために、どんな取り組みや環境づくりが有効だろうか。事例から探る。
失敗する社内イベントには共通点がある。「経営陣からのメッセージを社員に伝えたい」「部署間の壁を取り除きたい」と考えた経営陣が、社内イベントの立案を総務担当者に任せる。総務担当者と経営陣主導でイベントを企画する。ある日突然イベントが告知されて社員がしらける――というものだ。
システム受託開発のソニックガーデン(東京都世田谷区)では、社員が自発的にさまざまな社内イベントを企画している。過去に開催されたイベントは「ソフトウェア職人による新春書き初め大会」「高校生向けの会社見学会」「参加率ほぼ100%の社員旅行」など、多岐にわたる。社員を社内イベントに巻き込むための仕組み作りや雰囲気づくりについて取材した。
まず、ソニックガーデンのビジネスモデルと働き方のスタイルについて簡単に説明しよう。2011年に創業した同社の社員数は30人強(18年3月現在)。社員の半数以上が東京以外に住んでいる。オフィスに出社する必要はなく、ほぼ全員が自宅などで仕事をするリモートワークを実践している。社員は全員がプログラマーだ。人事や総務的な業務は外注している。マーケティング活動はWeb上だけで行っている。
ソニックガーデンの主業務はシステム開発受託だ。社員はクライアントとテレビ電話やメールで打ち合わせを行う。双方のオフィスに足を運ぶことはほとんどない。それが可能なのは「完成したシステムを納品してあとはメンテナンスが中心」という開発スタイルではなく、クライアントとシステムを日々アップデートしていく方式を採っているからだ。
社員同士のコミュニケーションは主として「Remotty」というバーチャルオフィス上で行う。デスクで作業している社員の顔がRemottyに映し出される。「おはようございます」「食事に行ってきます」といったメッセージをチャット形式で簡単に共有できる。
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