シャープは、通信規格の業界団体のひとつである欧州電気通信標準化機構(ETSI、エッツィ)に、5G関連の特許ファミリー495件を、公正・合理的・平等な条件で利用を許諾する用意があると宣言した。これらの特許は、5Gに関わる製品を手がける場合、必ずライセンスが必要となる、いわゆる必須特許になるという。
2020年の商用化が見込まれる5Gでは、その標準仕様の初版(5G NR)が2017年12月に策定された。シャープが今回宣言した特許ファミリーは、高速通信(eMBB)と、一部の低遅延機能に関するもの。たとえば高速化については、多数のアンテナを使うMassive MIMOに関わるもので、低遅延に関するものはスロットと呼ばれるデータの送信単位の時間をフレキシブルに扱えるようにするものが含まれる。
家電や液晶ディスプレイを手がけ、通信関連ではスマートフォンが代表的なプロダクトという印象を与えるシャープだが、同社のさまざまな分野で通信事業は欠かせないとして、4G(LTE)がスタートを切りそうな時期に通信技術の必須特許に関するプロジェクトに着手していた。これまでに4G関連の必須特許を宣言した数は618件に上り、1位のファーウェイや2位のクアルコム、3位のサムスンなどに続きグローバルで8位の位置にある。ちなみにNTTドコモの宣言数はシャープより少なく11位になる。
そうして10年ほどかけて4G時代を通じてさまざまな技術開発に取り組んできた中、そこで培った技術が5Gの必須特許に結びついたのだという。必須特許は、標準化機構に対して、保有していることや利用条件を宣言する必要があり、今回の発表に至った。
同社が保有する必須特許の件数は、今回の495件に留まらず、今後の精査を経てさらに数百件追加される見通し。5Gそのもの仕様も、業界団体の3GPPでさらに検討が進められる予定だ。
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