2018年3月30日金曜日

[ITmedia エンタープライズ] 国内でマルチスキャンとデータの無害化を促進すべくOPSWAT JAPANが設立

いかなるファイルも、いかなるデバイスも信頼しない

 2018年3月29日、米OPSWAT(オプスワット)が日本法人設立に関する発表会を開催した。OPSWATは2002年に米国で創立され、企業向けのサイバーセキュリティ対策ソリューションを提供。マルチスキャンやデータサニタイズ(データの無害化)、脆弱(ぜいじゃく)性検出といった機能を単一サーバ上で実現する「MetaDefender」を主力製品として世界に展開中だ。日本ではネットワンパートナーズが1次代理店となり、2018年内に直接の販売を担当する10社以上の2次代理店の獲得を目指す。

 なお、2016年12月に日本法人(OPSWAT株式会社)が設立されたが、「当時は事業環境が整わず、一度リセットして2018年2月16日にOPSWAT JAPANを改めて立ち上げた」(代表取締役社長 皆川文哉氏)という。

photo OPSWAT CEO 兼 創設者 ベニー・ザーニー(Benny Czarny)氏

 発表会で米OPSWATのCEO 兼 創設者 ベニー・ザーニー(Benny Czarny)氏は、「OPSWATは“Trust no file、Trust no device”(いかなるファイルも、いかなるデバイスも信頼してはいけない)を掲げている。本社はサンフランシスコにあり、全世界に165人の社員がいて、そのうち100人がエンジニアだ。政府機関や防衛機関をはじめ、さまざまな業界の1000社を超える企業にセキュリティソリューションやサービスを提供している」と同社の概要を説明。

photo 「MetaDefender」の特徴

 「マルウェアや脆弱性自体についても年ごとに、そして日ごとに増加しているし、サンドボックスにもさまざまな被害をもたらしている。企業がセキュリティに関する費用も増加し、投資を続けているにも関わらず、被害が増え続けているのが現状だ。3000以上の企業が世界でセキュリティソリューションを提供しているが有効な手を打てておらず、検知率が100%ではない上に数値も安定していない。こういった状況を踏まえ、検知以外のアプローチが必要と考えてMetaDefenderを開発した」(ザーニー氏)

photo マルウエアの侵入口となりやすいところに導入することで脅威を防ぐ

 MetaDefenderの特徴は、30を超えるセキュリティベンダーから提供される複数のエンジンを使うマルチスキャニングで、企業内に入るファイルを徹底的に検査した上で、怪しいファイルを無害化することだ。ファイルタイプも33種類に対応し、ファイルの持っている有用性を担保する。

 米国では、重要なインフラである原子力発電所に採用されているほか、国家安全保障省(DHS)による審査でも高い評価を得ていると実績をアピールしている(ザーニー氏)。

 OPSWAT JAPANの代表取締役社長 皆川文哉氏は、「こんなに時代が進歩して、便利なツールがあふれているのにそれを使えず、制約が増えてしまっている現状はおかしい。マルチスキャンという技術は日本で広まっておらず、簡単で早く安く使えるをモットーに、まずは売上よりもっと自由に安心に使える環境を提供していく」と抱負を語った。

photo OPSWAT JAPAN 代表取締役社長 皆川文哉氏
photo インフラ施設などに持ち込まれるファイルを検査して、ネットワークとの間でデータをやりとりできる安全なプロセスを提供すべく、MetaDifenderの機能を組み込んだKIOSK端末を用意する
photo ネットワンパートナーズは6月に「OPSWAT Academy by NOP」を開講予定。当面はパートナー向けの予定だが、将来的にはエンジニアにも展開するとのこと

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