総務省の電波監理審議会は4月6日、同省から諮問を受けた「第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局の開設計画の認定」について、原案を適当とする答申を行った。これにより、楽天が子会社(楽天モバイルネットワーク)を通して移動体通信事業(携帯キャリア事業)に参入することが確定した。
楽天は「1.7GHz帯」で参入
総務省は、1〜2月にかけて以下の周波数帯の電波を第4世代移動体通信システム(4G:LTEなど)で利用したい通信事業者を募集した。
- 上り1710〜1730MHz/下り1805〜1825MHz
- 上り1730〜1750MHz/下り1825〜1845MHz
- 上下3400〜3440MHz
- 上下3440〜3480MHz
- 上り1765〜1785MHz/下り1860〜1880MHz
1と2は「1.7GHz帯(Band 3)のFD-LTE規格向け全国バンド」、3と4は「3.4GHz帯(Band 42)のTD-LTE規格向け全国バンド」となる。5は「Band 3のFD-LTE規格向けの東名阪エリア以外バンド」で、東名阪(関東甲信越・東海・関西)エリアにおいてNTTドコモが既に利用している帯域となる。
今回の募集では、楽天モバイルネットワークの他にNTTドコモ、KDDIと沖縄セルラー電話(単一事業者扱い、以下「KDDI」)、ソフトバンクが帯域の割り当てを申請。各社が申請した希望帯域は以下の通り。
- NTTドコモ:第1希望→3.4GHz帯(4番帯域優先)、第2希望→1.7GHz帯(1番帯域優先)
- KDDI:第1希望→1.7GHz帯(1番帯域優先)、第2希望→3.4GHz帯(3番帯域優先)
- ソフトバンク:第1希望→3.4GHz帯(3番帯域優先)、第2希望→1.7GHz帯(2番帯域優先)
- 楽天モバイルネットワーク:1.7GHz帯のみ希望(2番帯域優先)
結果、第1希望の優先帯域に重複がなかったことから、各社ともに希望通りの割り当てを受けられることになった。なお、5番の帯域については申請がなかった。
楽天にのみ“追加条件”あり
今回の割り当てにあたり、各社には6つの割り当て条件を課された。ただし、今回新規参入となる楽天モバイルネットワークについては、以下の4つの追加条件が課された(簡略化して掲載)。
- 既存事業者のネットワークを利用する場合でも、自社でネットワークを構築することが原則であることに留意する
- 基地局の設置場所の確保や工事業者との協力体制の構築に一層務める
- 無線従事者を始めとする必要な技術要員を確実に確保し配置する
- 経営環境の変化に備えて、設備投資や安定したサービス提供に必要な資金の確保と、財務の健全性に留意する
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