MicrosoftはWindows 10の大型アップデート周期を年2回(3月ごろと9月ごろ)に固定している。今のところ、一般ユーザーが大型アップデートを受け取るタイミングは4月ごろと10月ごろになっているが、2018年の4月が半分を過ぎても、春の大型アップデートについて同社から正式名称や配信日の発表がない。
この春に配信されるWindows 10次期大型アップデートは、「Redstone 4(RS4、1803)」の開発コード名で呼ばれ、最近では「Spring Creators Update」の名称がうわさされているが、どうやら配信直前のタイミングで問題が発生したようだ。
3月末に掲載した記事「2018年春のWindows 10大型アップデートが完成か 見え始めたRedstoneの終わり」の中で、3月27日(米国時間、以下同)にWindows Insider ProgramのFast Ringユーザー向けに配信されたWindows 10 Insider Previewの「Build 17133」が、RS4の完成版に該当するのではないかと報告した。この完成版とは、一昔前のWindows OSで「RTM(Release To Manufacturing)」と呼ばれていた最終的な製品出荷版を指す。
だが、Build 17133の登場から2週間が経過しても、Microsoftは一般ユーザー向けの配信開始について沈黙したままだ。関係者によれば、もともと4月9日週にRS4の完成に関してアナウンスを行う予定だったようだが、何らかの理由で延期したとみられる。
完成と思われたRS4に新たなビルド「17134」が出現
前述のBuild 17133は、3月27日にFast Ring向けの配信が始まった後、3月30日にSlow Ring、4月9日にRelease Previewへの配信が順に解禁されている。Windows Insider ProgramのRelease Previewとは、製品版同様のビルドを一般ユーザー向け配信より前にテストする目的のユーザーが該当する。つまり、MicrosoftはRelease Previewの配信タイミングをもってRS4の完成版とする計画だったようだ。
しかし、Microsoftの公式ブログによれば、当初4月9日に全Release Previewが対象となっていたものが、一部の配信へと縮小され、さらに翌10日にはBuild 17133を受け取った全ユーザーに対して更新プログラム「KB4100375」が配られ、これを適用することで「Build 17133.73」になることが報告された。
こうした中、最新のWindows 10ビルド番号を掲載する非公式サイトのBuildFeedによれば、内部ビルド(Canary)として4月10日に「Build 17134」の配信がスタートしている。Build 17134はRS4相当のビルドであり、後続のビルド更新状況は不明ながら、少なくともBuild 17133はRTMにならなかったことが確認できる。
米Windows Centralのザック・ボーデン氏も指摘しているが、Build 17133のRTMとしての公式リリース直前にバグが見つかり、当初Microsoftは前述の更新プログラムで対応しようと思っていたものの、これだけでは対応が難しいと判断。最終的にRS4の提供時期を遅らせる判断に至ったという。バグの詳細は不明で、出現率こそ低いものの、情報源から内容を特定する話は一切聞こえてこないとしている。
Build 17134以降の開発(バグ修正)プロセスがどの程度長引くのかは不明だが、RS4はもう少しだけInsider Previewでの格闘が続くことになりそうだ。
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