2018年4月16日月曜日

[ITmedia News] 音楽文化の発展か衰退か JASRACが音楽教室での著作権料徴収開始


 教育の保護か、権利の保護か−。音楽教室での演奏に対する著作権使用料徴収を認めた文化庁長官の裁定を受け、日本音楽著作権協会(JASRAC)による徴収が4月から始まった。だが、音楽教室の反発は根強い。両者ともそれぞれの目的を「音楽文化を普及させるため」と説明するが、利害の衝突を回避できないまま、波紋を広げ続けている。現場からは、著作権の切れたクラシックなどの楽曲ばかりを弾くことになるのではないか−と懸念する声も上がっている。(社会部 石井那納子、文化部 竹中文)

「個別の督促をするものではない」

 徴収の対象は楽器メーカーや楽器店が運営する約7300の音楽教室で、JASRAC関係者によると、3月28日に全国約900事業者に郵送で手続き案内の文書を送付。徴収権限がないことの確認を求めて東京地裁に提訴しているヤマハ音楽振興会などの事業者にも送った。

 許諾手続きを開始するための案内の文書には、「個別の督促をするものではない」という内容を明記。訴訟が進行中である旨や、文化庁長官による裁定の内容も記した。同長官が「社会的混乱を回避すべく適切な措置をとるよう留意」することを求めた通知も同封した。

 使用料の支払い方式は選択制だ。前年度の受講料収入の2・5%を支払う年額▽受講者数や受講料に応じた月額▽使用する曲別−の3通りから選ぶ。来年3月末までの1年間に限り、使用料の10%を減額する割引を適用する。JASRAC広報部は「音楽文化発展のため、趣旨をご理解いただきたい」としている。

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