労働者側が求める残業時間の上限規制という規制強化に対し、経済界が求める高度プロフェッショナル制度創設は規制緩和の象徴である。アクセルとブレーキの混在した働き方改革関連法案は、思惑の異なる労使の合意が不可欠だった。
平成28年3月、安倍晋三首相は1億総活躍国民会議の席上、労使で労働基準法36条に基づく協定(36協定)を結べば、残業時間が事実上の「青天井」という現状を改善するため、法規制に初めて言及した。
「法規制を早急に強化する。現在提出中の労基法改正案に加え、時間外労働のあり方を再検討する」
この発言が残業時間規制の出発点だった。内閣官房幹部は首相発言を見越し、経団連の榊原定征会長に水面下で接触した。経済界の反発が予想されたからだ。「首相の強い意志だ」。こう説得する幹部に、榊原氏は「丁寧に議論してください」と注文をつけつつ、一定の理解を示した。
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