スマートフォンに押され、苦境続きだったカメラ業界が息を吹き返すかもしれない。ミラーレスカメラの好調で、低迷してきたデジタルカメラの年間出荷額が平成29年に5年ぶりに増加に転じたのだ。カメラ不況を吹き飛ばす“神風”の到来となるか。各社ともミラーレスシフトを強め、反転攻勢ののろしを上げた。
3月上旬、横浜市のパシフィコ横浜で開かれたカメラの展示会「CP+(シーピープラス)」。毎年7万人近くのカメラファンが訪れ、各社はこぞって力の入った展示を繰り広げる。このため、その年の業界のトレンドを映し出す鏡といえる。
ミラーレスの新製品「X−H1」を同月発売したばかりの富士フイルムは前年比1.5倍の面積のブースを構え、X−H1を目玉展示に据えた。
堅牢(けんろう)性を高めたボディーに、Xシリーズでは初となるボディー内手ぶれ補正機能を搭載した自慢のハイエンド(高級)機で、来場した大勢のファンの注目を集めた。
富士フイルムが初のミラーレス「X−Pro1」を発売したのは24年。以降、ミラーレスをカメラ事業の中核に据えた。この6年の改良の積み重ねで処理速度も向上し、スポーツ撮影もミラーレスで全く問題ない。ミラーなどが存在しない分、小型軽量化を実現でき、画質的には一眼レフと遜色ない。
「交換用レンズもさまざまなバリエーションの26本がそろい、ミラーレスの課題は完全に解消された」
同社光学・電子映像事業部の飯田年久事業部長はこう語って胸を張る。
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