米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは4月11日(現地時間)、米連邦政府下院エネルギーおよび商業対策委員会の公聴会「Facebook: Transparency and Use of Consumer Data」に出席した。約5時間にわたるCambridge Analytica(CA)によるユーザーデータ不正流用やプライバシー保護問題についての多数の質問に対し、準備された当たり障りのない回答で応じた。
「消費者のプライバシーに関する問題を解明する重要な機会」として設けられたこの公聴会では、前日の上院司法委員会の公聴会よりも具体的で厳しい質問が続いた。
議員らは繰り返し、Facebookのユーザーはサービス上の自分のデータの共有について管理できているのか、管理方法についてわかりやすくなっているのかについて質問したが、ザッカーバーグ氏はユーザーは設定ページで共有する情報を確認・設定できるという説明を繰り返した。
多くの共有設定がなぜオプトイン(最初は無効でユーザーが自分の意志で設定しないと有効にならないこと)になっていないのかという質問には、「Facebookで共有するすべてのコンテンツについて、ユーザーは管理権限を持っている」と強調し、「その設定は分かりやすいところにあると思うか?」という質問にはイエスと答えた。
FacebookがFacebook以外のWebサイトでもユーザーのアクティビティを追跡していることについての質問も多かった。ログインしていないユーザーのインターネット上でのアクティビティがFacebookでの「知り合いかも」などに利用されているといういわゆる「Shadow Profiles」についての質問には、「shadow profilesというものについては知らない」が、Facebook外でのアクティビティを追跡しているのはユーザーのセキュリティと関連性の高い広告表示のためだと説明した。
Facebookがインターネットで集めている非ログインユーザーのアクティビティについてなど、多くの質問について、持ち帰って確認し、72時間以内に質問した議員に報告すると答えた。
5月25日にEUで施行されるGDPR(一般データ保護規則)に準拠するユーザー保護をEU以外の地域でも同等に実施するかという質問には、準拠すると答えた。
GDPRでは、企業がユーザーにデータ共有をリクエストする場合は、明確で分かりやすい方法で説明することが義務付けられている。米Appleは既にiOS 11.3でこれに準拠した。
アンナ・アシュー議員(カリフォルニア州選出、民主党)は4分間の質問時間をCAによる情報流用に費やした。同氏の「あなたの個人情報もCAに売却されたデータに含まれていたのか?」という質問にザッカーバーグ氏は「イエス」と回答。「では、個人のプライバシーを守るために御社のビジネスモデル(収集した個人情報によるターゲティング広告)を変えるつもりはあるか?」に対しては「質問の意味がよく分かりません」と答えた。
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