ソニーモバイルコミュニケーションズは、周囲の音を聞きながら音楽を楽しんだり、情報を確認したりできる、耳をふさがない左右独立型のワイヤレスオープンイヤーステレオヘッドセット「Xperia Ear Duo XEA20」を4月21日に発売する。ソニーストアでの販売価格は2万9800円(税別)。既に予約を受け付けており、ソニーストアや家電量販店、ECサイト、全国のドコモショップとドコモオンラインショップ、一部のソフトバンクショップとSoftBank SELECTIONオンラインショップで購入できる。
この製品はMobile World Congress(MWC) 2017で、コンセプトモデル「Xperia Ear Open-style CONCEPT」として披露され、MWC 2018でXperiaブランドのスマートプロダクトの新商品として発表された。スマートプロダクトは「コミュニケーションの未来を創造する」というビジョンのもと、ソニーの技術を生かして開発されている。ハンズフリーでコミュニケーションができる「Xperia Ear」、テーブルや壁をタッチディスプレイにする「Xperia Touch」、音声に加え、しぐさや表情で会話を楽しめるコミュニケーションロボット「Xperia Hello!」と、2016年以降3つの製品を出しており、Xperia Ear Duoは4製品目になる。
周囲の音と音楽を同時に聴く「デュアルリスニング」スタイルを提案
ソニーモバイルは4月11日に報道陣向けの体験会を開催し、同社のスマートプロダクト部門 商品企画課 八木 泉氏が商品コンセプトや採用されている技術について説明した。
Xperia Ear Duoは、スマートフォンとBluetoothで接続し、両耳に装着するワイヤレスヘッドセットだ。スマホは便利で簡単にコミュニケーションできるツールだが、その一方で目の前の出来事やコミュニケーションがおろそかになってしまうシーンもある。Xperia Ear Duoは「周囲の環境や人とのつながりを保ちつつ、スマホにおけるコミュニケーションもサポートする新しいコミュニケーションスタイル、革新的なリスニング体験を提供する」と八木氏はアピールした。
最大の特徴が、耳をふさがず、周囲の音と再生している音楽が「ブレンドされる」リスニングスタイルだ。Xperia Ear Duoは耳に差し込む部分に穴が空いていて、この形状が重要な役割を果たす。本体の耳の後ろにくる部分にドライバーユニットを配置し、ソニーのR&Dが開発した独自の音導管を通して、鼓膜へダイレクトに音を届ける構造となっている。周囲の音を取り込んで、スマホから出る音と両方聞こえるが、これをソニーは「デュアルリスニング」と呼んでいる。
耳をふさがないので周囲の音が自然に入ってくが、同時に音漏れもしにくく、電車の中でも安心して使えるという。周囲には聞こえない自分だけのBGMを聞くような体験ができる。自分の声がこもらず、相手の声もちゃんと聞こえ、会話が自然にできるというメリットもある。自分の声がついつい大きくなることもない。また、Xperia Ear Duoの形状は耳が疲れにくいという。耳をふさがないので蒸れず、長時間でも快適に使えるそうだ。
このデュアルリスニングはいろいろなシーンでメリットがあると八木氏は具体例を紹介。通勤時には音楽を聞きながらも電車内のアナウンスを聞き逃すことがなく、仕事中にXperia Ear Duoを装着していても、同僚と会話がスムーズにできる。アウトドアのレジャーでも自然の音を楽しみながら自分だけのBGMを流すことができる。家事やランニング中の利用にも適していると語った。
音質にもこだわりがある。ソニーのオーディオ部門で培った技術を用い、独自の高音質化技術である「Clear Phase」を搭載。より自然でクリアな音を再現している。
本体はユニークな形状だが、人間工学に基づいたもの。独自の測定データに基づき、さまざまな耳の形状にフィットする下掛けスタイルを採用し、メガネとも干渉しにくい。多くの耳にフィットするように、3種類のリングサポーターを付属している。また、完全ケーブルレスで左右独立型なのも、最近のトレンドにマッチしている。長年、補聴器などで使われていたNFMI(Near-Field Magnetic Induction/近距離電磁誘導)技術と、最適なアンテナ設計によって、低遅延で安定した左右接続を実現した。
持ち運び用に化粧品のコンパクトのような充電ケースが付属する。Xperia Ear Duoは1回の充電で約4時間の音楽再生が可能だが、この充電ケースは約3回分の充電が可能で、合計16時間使える。さらに、7分間の充電で約1時間再生ができる急速充電にも対応する。
音声でLINEのメッセージも送れる
2016年に発売されたXperia Earと同様、ソニーモバイル独自のボイスアシスタント「Assistant for Xperia」を搭載した。これはAndroid端末でのみ利用可能だが、メッセージ送信や電話、スケジュールの確認などが音声で行える。
さらに、国内向けの機能として、ハンズフリーでのLINEの送受信に対応。LINE MUSICの再生やLINEニュースの読み上げにも対応する。Xperia Ear Duoは、ハンズフリーでLINEのメッセージ送受信ができるようになった初のモバイルデバイスだ。体験会ではLINEのClova事業企画室 プロジェクトマネージャー 小城久美子氏が登壇し、Xperia Ear DuoのみでLINEのメッセージを送るデモを行った。
Xperia Ear Duoの右側のタッチパッドを長押ししてAssistant for Xperiaを呼び出し、「LINEを送って」と話しかけると、自動的にアシスタントがClovaに切り替わり、メッセージを送信できるようになる。スマホに手を触れることなく、Xperia Ear DuoからLINEを送れることを会場で見せた。
さらに、Radikoの再生にも対応。Xperia Ear Duoに「ラジコをかけて」と話しかけることで、Radikoアプリが起動し、ラジオを聴ける。こうしたボイスアシスタントを支える技術として「クワッドビームフォーミングマイク」を搭載。Xperia Ear Duoには左右2つずつ、合計4つのマイクを搭載しているが、周囲のノイズからユーザーの音声だけを分離することができ、騒がしい環境でも高い音声認識率と高い通話品質を実現している。
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