150年以上前に亡くなったGrimm兄弟が、AIの力を借りた新たな作品で注目されるかもしれない。
Botnikは、創作活動のために機械を利用する作家や芸術家、開発者で構成されるグループだ。Botnikはスマートフォンの予測テキスト入力からヒントを得たプログラムを使って、Grimm兄弟の作品集をマイニングし、同様のスタイルの単語やフレーズを提案した。その後、Botnikの人間の作家たちが執筆作業を引き継いで、それらの言葉の組み合わせに自分たちの想像を付け加えることで、AIのアルゴリズムの提案から「The Princess and the Fox」(お姫様と狐)という物語を作り上げた。
Botnikの最高経営責任者(CEO)で、この物語の制作に貢献した3人の作家の1人でもあるJamie Brew氏は、「単語の提案は、いかにもGrimm兄弟が書きそうな物語を作るのに大きく貢献した。人間の作家たちが行った主な作業は、機械が自由に紡いだ文や段落に一貫性を持たせることだった」と筆者に話してくれた。
この物語は、1500文字超の長さで、言葉を話す狐が主人公だ。この狐が貧しい粉屋の息子に力を貸して、お姫様が好きでもない不愉快な王子と結婚するのを阻止する。ネタバレになるが、この物語はハッピーエンドで幕を閉じる。この作品の制作を依頼したのは、ユーザーの不安軽減と睡眠改善を助けるマインドフルネスおよびウェルネスアプリの「Calm」だ。この物語は、Calmの就寝前の大人向け物語集に既に追加されている。
Calmはこの物語を「The Lost Grimm Fairy Tale」(失われたグリム童話)と呼んでいる。
Calmの共同創業者のMichael Acton Smith氏は、「われわれは、『ジュラシック・パーク』が恐竜にしたのと同じことを、Grimm兄弟でやっている。つまり、現代科学を使って、彼らを死からよみがえらせた」と述べた。
ドイツ人の兄弟であるJacob GrimmとWilhelm Grimmは童話を書籍にまとめて、「シンデレラ」や「ヘンゼルとグレーテル」「眠れる森の美女」「白雪姫」といった伝統的な口承文学を一般に広めたことで知られている。これらの作品は、何十もの言語に翻訳され、Disney映画にもなった。
もちろん、それらの物語の中には、意地悪な継母や極めて邪悪な魔女など、人々を不安にさせる描写を含むものもある。それらは、子供(または大人)を寝かしつけるのに逆効果になる場合もあるかもしれない。しかし、Calmがブログで指摘しているように、The Princess and the Foxの話の筋と雰囲気は、一部の恐ろしいGrimm童話より穏やかである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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