メッセージを送ってから「今のはなかったことにして!」と後悔すること、ありますよね?
オープンウェブなら撤回できませんけど、Facebook上ではマーク・ザッカーバーグCEOと役員に限り、メンバーの受信トレイから意のままに自分のメッセージを削除できることがわかりました。
「Download Your Information」というツールで古い情報を確認中、マーク・ザッカーバーグから届いたはずのメッセージがなぜか消えていることに何人かのメンバーが気づき、TechCrunchに通報したものです。
Facebookメッセンジャーには、時限付きで自動的に消える機能もありますが、それが導入されたのは2016年。今回「ごっそり消えている!」と騒がれているのはもっと前のもので、古いものでは2010年まで遡ります。消されているのはザックから届いたメッセージだけで、メンバーから送ったメッセージはそのまま残っていました。なんだか、ひとりごとしているヘンな人みたいに。
Facebookはこう説明していますから、役員のメッセージも消せる模様です。
2014年にソニーピクチャーズの役員のメールがハックされた事件を受け、Facebookでは役員の通信環境に数々の変更を加え、メッセンジャーにCEOのメッセージを保管する期間も制限するようにしました。これは完全に合法です
ソニーハック事件を引き合いに出せば同情が集まると思ったのかもしれませんけど、少し弱いですよね…。そんなこと言ったら、ほかのユーザーだってハックされたら大変だと思うのだけど、削除できるのは役員だけですからねぇ…。仮に合法だったとしても、オンラインコミュニティの暗黙のルールを裏切る行為と言われてもしかたがない気がしますですよ。
メッセージはひとたび送ったら、宛先のユーザーのものです。手紙と一緒で。ワンクリックで差出人が取り返していいものではないし、意地悪なメールを送ったあと消してなかったことにできるなら、警察要りませんからねえ。
Facebookはケンブリッジ・アナリティカ事件で個人情報のずさんな管理が問題視され、マーク・ザッカーバーグCEOはつい先ほどまで米上院の法務・商務委員会、エネルギー・商業委員会を土下座回りでした(英下院からの再三に渡る召喚には応じていません)。
シェリル・サンドバーグCOOもBloombergやNBCニュースに次々に出演し、信用回復に大忙しです。NPRには「ソーシャル体験の実現、プライバシーの保護は実現できるものと本当に信じていましたが、理想主義過ぎました。悪用のケースを十分考えていたとは言えません」と反省をにじませています。理想に燃えるあまり脇が甘かった、と。
こうして折り目をつけた後にまたこういう内輪の特別扱いの謎仕様の話が出てくると、やっぱり一民間企業にこれだけの情報は託せない…という話に戻ってしまいますよね。
遠隔から役員のメッセージを削除する機能の全容は不明のままです。「合法だ」という説明で批判を浴びたFacebookは、その後「送信撤回できる機能を近日公開する」という説明に切り替えましたが、別に過去のメッセージにまでさかのぼって消せる機能ではないので、それとこれがどう関係あるのだ!と言われていますよ。いよいよ説明が苦しくなってきました…。
自由に削除できるFacebook社員は何人ほどいるのか。自動削除なのか、それともケースバイケースなのか。Facebookに質問を送っておきましたので、回答が入り次第、アップデートしますね。
Image: David Ramos/Getty Images News/ゲッティ イメージズ
Source: NPR, TechCrunch
Matt Novak - Gizmodo US[原文]
(satomi)
ギズモード・ジャパンで全文を見る
0 件のコメント:
コメントを投稿