東京商工リサーチは3月23日、企業に対して実施した2018年度の賃上げ見通しと労働環境の改善について調査した結果を発表した。賃上げへの取り組みは中小企業、労働環境の改善には大企業の方が積極的であることが分かった。
調査によると、2018年度に賃上げを予定している企業は、大企業は89.4%、中小企業は85.6%。全体では86.1%だった。
ベースアップを予定しているのは大企業が32.4%、中小企業が33.5%だった。
ベースアップ幅(月額)については、「5000円以上」という大企業が24.5%、中小企業では39.3%と、中小企業が大企業を14.8ポイント上回る結果に。中央値をみても大企業は2500円、中小企業は3000円と、中小企業の方がベースアップ額が高かった。
賃上げ実施の理由については、65.9%の大企業、76.1%の中小企業が「従業員引き留め」のためと回答。大企業・中小企業ともに「人材確保」が課題になっており、特に中小では大きな問題になっているようだ。
一方、労働環境の改善では、「育児や介護休業の取得促進」をすると答えたのは大企業が20.3%だったのに対し、中小企業は13.0%にとどまった。人手不足感が強い中小企業では業務の振り分けが難しく、労働環境改善への取り組みが遅れているという。
調査は2018年2月15〜28日にインターネット上で実施し、7151社が回答した。
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