「モノが売れない時代の『繁盛』のつくり方 新しいマーケットを生み出す『顧客一体化戦略』」
確かに、ビジネス書として世に出ているマーケティングやモノを売るための方法が書かれた本は、ある一定の規模以上の企業を対象としていることが多い。これは、本書の冒頭に述べられていることだが、それが通用しない規模、もっと小さな商店や会社では、どうすればいいのか、これでは分からないのも当然だ。本書は、もっと地に足の着いた、まさに地元に身近にある店の商売繁盛を願った本だ。
例えば、大量の顧客を相手に商売を展開していると、顧客1人あたりにかける時間を短くして、効率的に売り上げを伸ばす方法を取り入れなければどうしようもなくなる。しかし本書の著者は、お客様とのやりとりに時間がかかっても、それを損だとは考えない。そこから、お客様の本当に望むことや、お客様自身さえ気づいていなかったニーズを引き出すことができるかもしれないからだ。
ほかにも、著者が築き上げてきたノウハウが惜しげもなく披露されているのだが、実例が数多く挙げられており、状況を想像しやすく、実践的と言えるのではないか。何より、本書全体から、商売を愛している著者の熱い思い伝わってくる、その熱量を見習いたいと思わせる。「パワーをわけてもらえる」ような1冊だ。
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