国内外のバイクの展示会「第45回 東京モーターサイクルショー」(主催:東京モーターサイクルショー協会)が3月23日、東京ビッグサイトで開幕した。出展者数135社、車両出品台数は562台と、今後発売予定の最新モデルが集結する“二輪の祭典”だ。
3月16〜18日に開催した「第34回大阪モーターサイクルショー」は、来場者7万664人(前回比6.6%増)と盛況。続く東京も来場者数14万人を見込む。
電動バイクは花開くか
東京モーターサイクルショーで注目を浴びていたのが電動(EV)バイクだ。国内では電動バイクの普及が伸び悩んでいるが、アジアや欧州では人気。国内でも環境問題や排ガス規制から注目されている。国内メーカーでは積極的に取り組んでいるヤマハ発動機が同日、5台目の電動バイクとなる「TY-E」を発表した。
「TY-E」は競技用のトライアルバイク。EVの課題である電動コンポーネントの高出力、小型軽量化、運転のしやすさを目指して開発に取り組んでいるという。ヤマハの担当者は「排ガス規制などが言われているので、電動化の技術は必要。ヤマハはこれまでにも電動バイクの開発を進め、技術はレベルアップしている」と話す。
イタリアブランドのADIVAも、ルーフ付きの電動モデル3台を世界初公開。EVとしてゼロから開発した「Concept-E」、フロント二輪&リア一輪の三輪バイク「AD1-E」、デリバリー用途モデルの「AD-Cargo」を発表した。ADIVAの担当者は「日本はまだガソリンがメインだが、欧州では電動に切り替わり、ガソリン車がなくなってきている。電動バイクは欧州から非常に注目されている」という。今回のモデルはまずは欧州をターゲットに発信していくが、日本でも年内に発売予定だ。
台湾KYMCOは電動バイクのプラットフォーム「Ionex(アイオネックス)」のコンセプトを公開。コアバッテリー搭載のバイクのほか、取り外しや持ち運びが容易なバッテリーや充電インフラ「Ionexエネルギーステーション」などの構想を明かした。他のメーカーやサービス提供者もこのプラットフォームに参加することができるといい、実現すれば電動バイクの普及が国内外で拡大しそうだ。
東京モーターサイクルショーは23日午後1時から一般公開。新型モデルがずらりと並んだホンダや、VR(仮想現実)を活用してバイクを体感させるスズキなど、国内外のメーカーのブースが多くの人でにぎわった。25日午後5時まで。
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