AMDは1月のCES 2018で明らかにしていた通り、第2世代「Ryzen」を発表した。ラインアップは「Ryzen 7 2700X」、同「2700」、「Ryzen 5 260X」、同「2600」の4モデル。4月19日に発売される。
米国での価格は329ドル〜199ドルとなる見込み。AMDが2020年までサポートすると公言するように、Socket AM4を採用しており、従来のチップセットでもファームウェアのアップデートで対応可能とみられる。
この発表にあわせて、編集部もRyzen 7 2700X、およびRyzen 5 2600Xを入手したので、早速中身をチェックしていこう。
第2世代Ryzenは、Ryzen 7が8コア・16スレッド、Ryzen 5が6コア・12スレッドと、基本的に第1世代Ryzenと同じコア・スレッド数で、大幅な内部レイアウトの変更はないものと見られる。
キャッシュ容量もRyzen 7が20MB、Ryzen 5が19MBで、AMDはL2とL3を合わせた容量を発表しているため、ここも第1世代Ryzenと変わらない。ただし、コードネーム「Zen+」となる第2世代Ryzenでは、先の14nmプロセスルールから12nmプロセスルールへと進化する。
最上位となるのがRyzen 7 2700Xだ。x800番台は欠番となるが、動作クロックは定格が3.7GHz、最大4.3GHzと、先代Ryzen 7 1800Xのそれと比べて100MHzずつ引き上げられている。この点でパフォーマンスの向上が期待される。
一方、TDPが105Wへと10W引き上げられている点には多少注意が必要だろう。また、Ryzen 7 1800Xには当初CPUクーラーが付属しなかったが、Ryzen 7 2700Xでは新型CPUクーラーの「Wraith Prism」がバンドルされる。
Ryzen 7 2700は、Ryzen 7 2700Xよりもクロックを抑えたモデルでOC非対応モデルとなる。定格は3.2GHz、最大4.1GHz駆動で、TDPは65Wとなる。バンドルされるCPUクーラーは、LED対応の「Wraith Spire」。
Ryzen 5の上位モデルとなる2600Xは、定格が3.6GHz、最大4.2GHz。第1世代のRyzen 5 1600Xと比べると定格は同じで最大側が200MHz引き上げられている。TDPは95Wでここは変わらない。バンドルされるCPUクーラーは「Wraith Spire」。下位モデルのRyzen 5 2600は定格が3.4GHz、最大3.9GHzでTDPが65Wとなる。バンドルされるCPUクーラーは「Wraith Stealth」。
CPUにあわせて、AMD X470チップセットも発表されている。X470についてのハイライトは、第2世代Ryzenの高クロック動作に最適化された電源回路、エキサイティングな新設計マザーボード、そして「StoreMI」技術をバンドル、という3点だ。
1番と2番については、新しいチップセットなので、電源回路を最適化していることは当然であるし、より新しいデザインであることは当然だろう。キモとなるのは3番だろうか。
StoreMI技術は、インテリジェントなストレージ・ソフトウェアと説明されている。そこまで詳細に触れられていないが、SSDの速度とHDDの大容量を組み合わせ1つとしたもので、高速かつ管理が簡単であることがハイライトとのこと。
AMDは1月時点でEnmotusと協業し「FuzeDrive for Ryzen」と呼ぶ似たような技術を発表しているが、これとの違いは不明。ただし、FuzeDrive for Ryzenが19.99ドルからだったのに対し、StoreMI技術は「フリーダウンロード」と記載されている。
現時点での発表では、第2世代Ryzenのラインアップとクロック、TDP等の仕様、そして新チップセットの存在が明らかになった。PC USER編集部では、追ってRyzen 7 2700XおよびRyzen 5 2600Xの性能をベンチマークテストで評価していく。詳細なレビューに期待してほしい。
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