米Tesla Motorsは3月30日(現地時間)、23日に米カリフォルニア州マウンテンビュー近郊で発生した同社の「Model X」による死亡事故について、事故車に搭載していたコンピュータのログから判明したことについて説明した。
まず、事故が発生した午前9時27分の時点で、同社が「オートパイロット」と呼ぶ運転支援機能が稼働中であったことが明らかになった。また、オートパイロット中はドライバーはハンドルに手を添えることが義務付けられており、車載システムは音声と画面表示で何度かハンドルを持つよう警告を発したが、亡くなったドライバーは少なくとも事故の6秒前にはハンドルに手を添えていなかったという。
また、この事故は、高速道路の中央分離帯のコンクリートの壁の手前に破壊されたまま放置されていた衝撃緩衝用バリアに衝突したもので、バリアが以前の事故で破壊されたままになっていたことが事故を大きくしたとしている。
ログによると、車が車線を外れて壊れたバリアに衝突するまでには約5秒間、距離にして150メートルの猶予があったはずだが、ドライバーはその間何もしていなかったという。
Teslaは事故調査について報告したこのブログの後半を、オートパイロットの安全性についての説明に費やしている。なお、おそらく解明できればまた公式ブログで発表するだろうが、オートパイロット中になぜ車が車線を外れて中央分離帯に向かったかは説明していない。
米ABC7 Newsの28日の記事によると、この事故で亡くなったのは米Appleの従業員、ウォルター・ホアン氏(38)。同氏のFacebookによると、昨年11月にAppleに入社し、12月にModel Xを購入している。
ホアン氏の兄、ウィル・ホアン氏はABC7 Newsに対し、弟はこの車が過去に7〜10回、オートパイロット中に(事故発生現場の)バリアに寄っていくと言い、ディーラーに車を持っていったが問題が再現できなかったと語った。ABC7 Newsはこの情報を事故を調査中の米国家運輸安全委員会(NTSB)に提供した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ITmedia 総合記事一覧で全文を見る
0 件のコメント:
コメントを投稿