米CDN大手のCloudflareは4月1日(現地時間)、コンシューマー向け無料DNSサービス「1.1.1.1」を立ち上げたと発表した。「インターネットの最速でプライバシーを第一に考えた」サービスとしている。
DNSとは、WebサイトのURLをIPアドレスに変換することで目的のサイトに接続する仕組み。一般にこの変換はISPやネットワーク企業などが管理するDNSサーバが担っている。今回Cloudflareが立ち上げたのは、米Googleが2009年にスタートした「Google Public DNS」と同様の、ユーザー側のDNSリゾルバだ。
DNSは通信データが暗号化されていても、ユーザーのネット上のすべての訪問履歴(IPアドレスのログ)を保持しており、サーバ運営側がその気になればそのデータを利用できる。
1.1.1.1の立ち上げは、Cloudflareのミッションである「より良いインターネットの構築」の一環という。同社のビジネスモデルはGoogleや米Facebookのようなユーザーのデータを収集してそれをターゲティング広告に使うようなビジネスモデルではないので、プライバシーを優先し、保証できると説明。
このサービスでは、ユーザーの訪問履歴を24時間以内に削除することでプライバシーを保護する。
また、同社の技術により、DNSサービスとして世界最速を実現したとしている。DNSモニターのDNSPerfが、1.1.1.1を世界最速にランク付けした。
1.1.1.1という名称は、同サービスで使うIPアドレスだ。一般ユーザー向けDNSサービスでは、覚えやすいIPアドレスが重要(Google Public DNSは「8.8.8.8」と「8.8.4.4」)。このIPアドレスを使うために、同社はこのアドレスを保有するアジア太平洋・オセアニア担当の地域レジストリ、APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)と協力した。
APNICが保有する1.1.1.1と1.0.0.1は(覚えやすいこともあり)、絶えず大量のガベージトラフィックにさらされているという。CloudflareはAPNICへのガベージトラフィックを受信して調査することを交換条件に、1.1.1.1を使ったDNSリゾルバ提供を申し出、APNICがこれに同意した。
ちなみに、エイプリルフールであり、イースターの日曜日でもある4月1日に新サービス発表を行ったのは、1が4つ並ぶサービスだし、同社初のコンシューマー向けサービスとしてインパクトを与えたかったからだと、マシュー・プリンスCEOは語る。
同サービスの使い方については、公式サイトにOS別(iOS、Android、macOS、Windows、Linux、ルータ)の丁寧な説明がある。
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