楽天は3月6日、携帯電話キャリア事業の開始に向け、東京電力グループの設備貸し出し事業を利用すると発表した。関東地方(1都6県)にある約500〜1000カ所の送電鉄塔、通信鉄塔、配電柱、建物屋上などを借り受けることで、首都圏における設備投資額を削減する狙い。
楽天が利用するのは、東京電力ホールディングス(HD)と東京電力パワーグリッドが保有する設備。この施策により、約100〜300億円の設備投資額が削減できるとみられる。
楽天は2019年1月のキャリア参入を目指し、2月末に総務省に周波数の割り当てを申請。今後は基地局設置などに向け、25年までに最大約6000億円の資金を調達する計画だ。
ただ、KDDIの田中孝司社長が「その金額で設備投資が賄えるほど通信事業は甘くない」と述べるなど、大手携帯電話事業者(キャリア)の上層部は厳しい見方をしている。
大手キャリアではなく電力会社との提携を選んだ理由について、楽天は「詳細についてのコメントは控えるが、効率的に設備投資を行うため」(広報部、以下同)と説明。「ただ、ローミングなどの支援を求めて大手キャリアと交渉することも検討中」という。
「このほか、地方の各電力会社との協力や、自社での基地局建設も検討しながら、18年3月末までの周波数割り当ての認定に向けて全国に通信網を構築していきたい」としている。
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