GoogleがRCSベースのメッセージングサービス「Chat」を準備中といううわさです。これ自体は成功すればすごく便利になる、歓迎したいことです。
でも、「ああ、またGoogleのカオスが」というのがこのうわさを聞いたときの最初の感想です。
Googleのコミュニケーション関連サービス(SNS的なものも含む)は混沌の歴史です。滅びたものや派生したり名前が変わったものを含めて、思い出せるものを並べてみました。
メッセージングサービスとSNSを並べるのも変ですが、SNSからメッセージングサービスが派生したり(Google+からハングアウト、そしてさらにそこからハングアウトChatとハングアウトMeet)、SNS的な機能がウリのメッセージングサービス(Allo)だったりするので、こうなってしまいます。
うわさのChatはHangouts Chatとは別のもので、しかも単体アプリではなく、Android Messageの機能として追加されるとかされないとか。ああ、ややこしい。
Googleさんはコミュニケーションサービスだけでなく、いろいろなジャンルで社内競合するようなものを併存させる傾向があります(今のAppleにはそういうことはないです。過去のLisa対Macintoshの苦い思い出があるからでしょうか)。
例えば「Chrome OS」と「Android」。Chrome OSは何度も滅びるとうわさされながら、今も2つのOSが併存しています。ChromebookでAndroidアプリが使えるようになったのは便利ですが、最初からAndroid搭載ノートPCにできなかったんだろうかと思ってしまう。
メーラーも2つ。先日大幅アップデートした「Gmail」とは別に「Inbox」というメーラーがあります。Inboxの位置付けは、実験的な機能をアグレッシブに提供していく場なので、GmailにInboxの多くの機能が反映されたからといって、Inboxがディスコンになることはないと思いますが、現時点ではGmailにあるアプリパネルがないInboxの存在意義は何?という状態です。
「Android TV」(Google TVとの混在はAndroid TVへの統合で完了)と「Google Cast」(Chromecast built-inに改称)と「Chromecast」にも混乱します。Android TVのYouTubeアプリを使うのと、スマホやPCのYouTubeをキャストするのとで使い勝手やできることが全然違うのは、ユーザーとしては(少なくとも私は)戸惑います。
音楽サービスも米国には2つあります。「Google Play Music」と「YouTube Music」。これについては、「YouTube Remix」という新しいサービスにGoogle Play Musicが統合されるかもといううわさがあります。これが、YouTube Redの1サービスになるのか、YouTube Redもなくなるのか、皆目分かりません。
優秀な人ばかりなはずのGoogleなのに、この混沌はいったいどうしたものかと不思議です。企業買収で才能のあるとがった人が集まり、それぞれが自分のアイデアを展開しようとするからなんでしょうか。そして、「Google Photo」と「Picasa」のように、明らかに差が見えると優秀な方に統合する、と。良く言えば、可能性の芽を摘まない自由な社風なのかもしれません。
ちなみに以下は、現在Googleが一般ユーザー向けに提供しているすべての製品だそうです(公式サイトより)。Android TVはないんですね。やっぱりよくわかりません。
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