「初音屋!」「電話屋!」――歌舞伎役者への掛け声である「大向う」(おおむこう)をゲーム感覚で体験できる「歌舞伎シャウト」ブースが、ニコニコ超会議2018(4月28〜29日、千葉・幕張メッセ)のイベントホール後方に設置されている。同じ会場では歌舞伎とテクノロジーを組み合わせた「超歌舞伎」が1日2回上演され、上演中は歌舞伎シャウトは利用できない。
設置されたマイクのトリガーを握って声を発すると、認識した音声が文字になり、床のモニター上を移動して正面にある大型モニターに映された役者目がけて飛んでいく。言葉やタイミングに応じて、役者絵がさまざまな反応を返す。
登場する役者は、初音屋、高麗屋、成田屋、喜の字屋の4人。役者が画面手前に大きく映し出されたときにそれぞれの屋号(名前)を叫ぶと、独自の演出が始まる。また、NTTの屋号(?)である「電話屋!」と叫ぶと、たくさんの電話が登場するという特殊な演出も。
叫んだ声は録音・変調され、他のユーザーが体験している間にも再生される。体験後は、声量やタイミングなどを基に「大向こう力」を判定。判定システムの改善のため、叫んだ声は学習データとしてNTTが利用するという。
歌舞伎シャウトには、複数のマイク素子と音響信号処理により、周囲の雑音を低減するというNTTの「インテリジェントマイク」と、音場を伝送する音響システム「波面音声合成技術」を使用。騒がしい空間でも音を拾い、好きな場所から音の文字を飛ばせるとしている。
実際に体験すると、発声して1秒ほどたってから声が文字となってモニター上を移動していくような感覚だった。役者絵が手前に動く瞬間を見はからって発声するので、ゲーム感覚で気軽に大向こうを体験できる。
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