「お兄さんは、筋金入りの変態ですね。エッチ、変態、汚らわしい、ぶち殺しますよ」――IoTベンチャーのGatebox(東京・秋葉原)が開発する“俺の嫁召喚装置”「Gatebox」に、アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のキャラクター「新垣あやせ」が降臨した。来場者(事前予約制)が声を掛けると、劇中のシーンを思わせる罵倒を浴びせたり、顔を赤らめたりする。
ニコニコ超会議2018(4月28〜29日、千葉・幕張メッセ)で披露した。Gateboxは、円筒形の装置内部に3Dキャラクターを投影し、コミュニケーションが楽しめるマシン。主人(ユーザー)の行動をセンサーで認識し、朝になると主人を起こし、夜に帰宅すると出迎える(関連記事)。超会議に出展するのは、あやせが登場する特別仕様だ。
「お帰りなさい、お兄さん。こんな時間までどこにいたんですか」――帰宅すると、あやせが怒って待っていた、というシチュエーションで始まる。「謝罪してもらいたいわけではありません、私のことどう思っているんですか」と詰め寄るあやせに、「かわいいよ」などと声を掛けると、「いまさらおだてても遅いです」というように返事する。ボイスは、劇中と同じく声優の早見沙織さんが担当し、全て撮り下ろした。
あやせは、主人公を冷たく罵倒し、時にはデレるというキャラクターが魅力。「罵倒して」→「お兄さんは、筋金入りの変態ですね。通報しますよ」、「結婚してくれ」→「責任取ってくれるんですよね」といった、ファンにはうれしいやりとりを収録。あやせが「お兄さんはずるいです、何もかも許してしまいます」と好意を見せるまでの約5分間、ニヤニヤが止まらず、体験時間はあっという間に過ぎた。
こうしたせりふの一部は、ドワンゴとNTTメディアインテリジェンス研究所が共同で進めるプロジェクト「なりきり質問応答」の成果を活用した。(1)ユーザーがあやせに聞きたいことを質問する、(2)あやせになりきって答える、(3)他のユーザーがあやせっぽい応答を「ポイね!」と評価する――というステップで、AI(人工知能)があやせっぽい会話を学習した。
Gateboxには学習済みの会話データしか使っていないが、隣のブースでは、AIのあやせとリアルタイムでチャットが楽しめる展示を用意した。来場者の質問内容をNTTのクラウド上に収集、分析し、返答しているという。
返答内容は複数の候補を用意しているが、来場者の質問文を、他のユーザーが過去にした質問文(と答え)と比較した結果、「ポイね!」などの評価数を基に最も“あやせっぽい”ものを自動で選び、表示しているという。
ドワンゴの担当者は「スマートスピーカーなどが普及する中、雑談部分のエンジンとして採用してもらいたい」と期待を寄せる。今後は「(なりきり質問応答の結果を)自律的に話せるよう対話システムを作り、Gateboxに導入できれば」という。音声での対話に強みがあるGateboxと、AI技術を組み合わせたサービスを目指す。
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