アサヒ飲料は、マイナス5度に冷やした「三ツ矢サイダー」を販売する自動販売機の展開を始めた。凍る直前まで冷やした、シャリシャリとした食感が楽しめる。三ツ矢サイダーの爽快感を最も味わえる温度で提供することで、メインターゲットの若年層に新たな楽しみ方を提案する。5月末までに、全国で約150台を設置する。
氷が泡に変わる、楽しい食感
氷点下まで冷やせる自販機は、自販機メーカーの富士電機(東京都)と共同開発した。開発期間は約5年。通常の冷たい商品(約5度)と氷点下商品を1台で提供できる。しかし、ホット商品を提供することはできない。
氷点下で提供する商品は三ツ矢サイダーのみで、通常の商品と同じ。冷やす時間がかかることなどから、1日に提供できるのは40本まで。販売時間は午前9時半〜午後5時。それ以外の時間は、通常のコールド商品のみ販売する。
2017年から設置している、通常より4度低い約1度の飲料を販売する「強冷自販機」では、炭酸をおいしく味わうことが狙いのため、三ツ矢サイダーのほか、「カルピスソーダ」「ウィルキンソン タンサン」なども提供している。それに対して、氷点下商品の自販機で販売するのは三ツ矢サイダーのみ。開発を担当した、自販機事業戦略部の中島英晴氏は「三ツ矢サイダーをおいしく飲むことを念頭に置いて開発した」と話す。
マイナス5度という温度は、「(完全な)シャーベット状になる直前、ぎりぎりの温度」(中島氏)だという。炭酸の爽快感を最も強く感じられる状態で提供する。
14年にも、「セブン-イレブン」限定で、マイナス5度の三ツ矢サイダーを販売していた。当時販売したのは、フローズン商品向けに開発した、通常よりも甘みを強めた商品。今回は通常商品のみ販売する。
実際に氷点下に冷やしたサイダーを見てみると、サイダーの中にたくさんの氷が浮いているのが分かった。口の中に冷たいサイダーと一緒に氷が入ると、すぐに泡に変わり、弾けるような感覚がある。不思議な食感だった。
すでに設置している仙台市や佐賀県鳥栖市のアウトレットモールのほか、駅や公園、商業施設など、人が集まる場所に設置していく。中島氏は「購入後、すぐに開けて飲むとおいしい。凍っている状態を目で楽しみながら飲んでほしい」と話している。
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