カスタマーサポートは全員正社員、フィードバックが商品改善の近道
アンカー・ジャパンは4月27日、設立5周年の節目として、新事業戦略会を開催した。モバイルバッテリメーカーとして急成長を遂げた2018年までを振り返るとともに、現在大きな需要カテゴリとして育ちつつあるオーディオ製品の新ラインアップなどを紹介した。
モバイルバッテリブランドとして知られる「ANKER」は、2013年の日本法人設立以来、スマートフォンの普及やスマートフォンゲーム「ポケモンGo」人気などの追い風を受け、急速に成長。5年間で約720%の成長率を記録している。
アンカー・ジャパン 代表取締役の井戸義経氏
アンカー・ジャパン 代表取締役の井戸義経氏は「設立当時は、海外の無名のハードウェアメーカーだったため苦労の連続だった。その中で成長するため、お客様が求めることに的確に答えるビジネスモデルを持つことが必要だと考えた。それが自社工場を持たないファブレス、新規参入でも入り込みやすいEC市場の活用、カスタマーサポートの充実の3つ。生産設備の所有と運用はサプライヤーに任せ、メーカーとして最大の価値を発揮できる領域に注力してきた」と今までの取り組みを振り返る。
現在では「amazon.co.jp」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」と国内の主要ECモールでショップを展開し、国内における販売の8割をECが担う。「購入者のレビューが瞬時に反映されるECの特性を生かし、製品を改善してきた。同様にカスタマーサポートも重要なファンクション。アウトソースしているメーカーもあるが、アンカー・ジャパンではトレーニング受けた正社員が対応している。ここでお客様のニーズを捉え、品質管理や製品開発にダイレクトにフィードバックしている」と、製品開発のスピードや低価格路線を実現する秘訣を明かした。
同日発表したオーディオカテゴリは、2015年に参入。ポータブルスピーカは「Amazonランキング大賞」で4期連続1位を獲得するなど、すでに多くの人気を集めている。アンカー・ジャパンでは、オーディオ市場におけるさらなる成長を狙い、現在「ANKER」「ZOLO」の2つのブランドで展開しているが、今回「soundcore(サウンドコア)」ブランドに一本化することを発表した。
スピーカは「Soundcore Flare(サウンドコアフレア)」(税込販売予定価格:5999円)を始め、「Soundcore Flare+」(同:1万2150円)、「Mini」(同:3999円)、「Motion」(同:3299円)、「Model」(同:1万9800円)の4シリーズ6機種をラインアップする。低音再生に注力した「BassUpテクノロジー」を搭載するほか、スピーカユニット部は、大手オーディオブランドも採用する、デンマークの「SCANSPEAK」のものを搭載。いずれもBluetoothによるワイヤレスモデルで、モバイルバッテリで培った長時間再生技術をいかし、約10〜20時間の連続再生時間を確保。IPX7(Soundcore Model ZeroはIPX5)の防水性能も備える。
スピーカのラインアップ
「Soundcore Flare」
ヘッドホンは、スポーツタイプの「Soundcore Spirit」、「Soundcore Spirit X」(同:各2999円)のほか、完全ワイヤレスタイプの「Libety Lite」(同:6599円)ノイズキャンセリング機能を備えたネックバンドタイプの「Life NC」(同:1万4300円)、ヘッドホンの「Vortex」(同:5999円)、ヘッドホンでノイズキャンセル機能を搭載した「Space NC」(同:1万4300円)の5シリーズ6機種を用意する。
Spiritは、スポーツ向けモデルの中で、防汗性能を上げることで「壊れにくさ」を追求したモデル。故障原因の50%とも言われる汗を、耐水層、非腐食性の遮断層、電機保護層、ICアンダーフィル材の4つで徹底的にガード。汗水、雨水、海水の3種類の水からイヤホンを守る「SweatGuardテクノロジー」を搭載した。イヤーフックタイプの「Spirit X」とカナル型の「Spirit」の2種類をラインアップする。
ヘッドホン、イヤホンのラインアップ
「Soundcore Spirit X」
「Soundcore Spirit」
直販サイトにリアル店舗、2018年は新たな販路作りを開始する
新事業戦略&商品発表会では、オーディオを含む会社全体の中長期的な目標についても話した。ECを用いて販売を伸ばしてきたアンカー・ジャパンだが、今後は「コアユーザー以外のお客様にも商品を届けたい」との思いから、直販サイトの「Anker公式オンラインストア」を立ち上げることを発表した。サービス開始は5月31日を予定しており、独自の会員プログラムを採用する。一方、リアル店舗での展開として、ブランドストアを大阪と東京に出店するとのこと。期間限定の予定だが、長期間に渡る出店や旗艦店としての運用も考えているという。
アンカー・ジャパン 執行役員/事業戦略本部統括の猿渡歩氏は、「モバイルバッテリやスピーカなど、オンラインショップでご購入いただくお客様が多いが、全体を見ればリアル店舗で購入する人の数がまだまだ多い。新たな販路を育てることが、アンカー・ジャパンの成長に直結すると考えている」と、新たな販路作りの背景を話した。
猿渡氏は「2018年はさらなる成長に向けた重要な年。新分野に挑戦し、日本市場単体で売上100億円を達成したい」としている。
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