2018年3月21日水曜日

スティーヴン・スピルバーグ監督、映画『レディ・プレイヤー1』に『スター・ウォーズ』ネタを採り入れようとするもディズニーが却下


シンデレラ城の守りは予想以上に強固だったようです。

ガンダム、アイアン・ジャイアント、ハローキティ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアン&ナイトライダー、『アキラ』の金田バイク、『特攻野郎Aチーム』に『マッドマックス』と、もはや数えることが不可能なくらいイースター・エッグにあふれている、近未来VR映画『レディ・プレイヤー1』。

アーネスト・クラインによる原作が80年代の映画、ドラマ、音楽などのオマージュてんこ盛り作品だったのですが、スティーヴン・スピルバーグ監督による映画化では原作にない、新し目のキャラクターたちも数多く登場します。

しかしいくらスピルバーグ監督でも、あのDが付く巨大企業だけはキャラクターの使用に関して首を縦に振らなかったのだそうです。

ハリウッドで行なわれた『レディ・プレイヤー1』の記者会見にて、監督はこのようにコメントしています。

我々は『スター・ウォーズ』の権利を得ることができませんでした。粘り強く交渉を頑張ったんですけど、彼らは使わせてくれなかったのです

スピルバーグ監督とルーカス監督は親友なのですが、そんなことお構いなし。ルーカス・フィルムは2012年に約3200億円でディズニーに買収されてしまったので、ポリシーがガチガチに固くなってしまったのでしょうね。スピルバーグ監督のところには、版権関係の交渉に強い映画プロデューサー、クリスティー・マコスコ・クリーガー女史のチームがたくさんのキャラクター使用権を獲得してきたのですが……『スター・ウォーズ』関係だけはダメだったのでした。

クリスティーはワーナー・ブラザースの権利部門の人たちと3年間かけて、すべての権利を手に入れてきたのです。でも欲しいものすべては手に入りませんでした。

『スター・ウォーズ』のほかに、入手できなかった権利があります。なんとそれは日本の『ウルトラマン』。原作では唯一無二で超強力なアーティファクト「ベーターカプセル」が登場し、登場人物がウルトラマンに変身するのです。これが物語上、けっこう重要な役割を果すのですが……使用不可となったので、ワーナー映画『アイアン・ジャイアント』に差し替えられてしまったのです。

共同脚本家のザック・ペン氏が、ちょっとビックリな実情を語ってくれました。

信じようと信じまいと、ウルトラマンはいま訴訟中(※)なんですよ。スピルバーグですら、ディズニーと円谷プロを納得させられないんです。


読売新聞によれば、中国企業が特撮ドラマ「ウルトラマン」シリーズのキャラクターを無断使用した映画を製作したため、円谷プロが6社を訴えているようです。今回の件との関連性はわかりませんが…。

とはいえスピルバーグ監督の名前と顔の効果は絶大で、特にそのほかの版権関係では比較的カンタンに契約が進んだのだそうです。さらには、最初に期待していた以上のキャラたちがカメオ出演することにも繋がったのでした。そこでペン氏がジョークを交えてこう話してくれました。

スティーヴン・スピルバーグのために仕事するのは楽しいですよ。真剣な話、彼のチームはアカデミー賞で版権獲得賞を獲るべきですね。

ちなみに、この件に関して手助けできるとしたらただひとり。それが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』でオーソン・クレニックを演じた俳優ベン・メンデルソーン。彼は『レディ・プレイヤー1』で主人公たちを苦しめるIOIの主任ノーラン・ソレントも演じた人物です。いわく「スティーヴン、これについはてボクに電話してくれたら良かったのに。デス・スターも作ったしさ。ってただ言ってるだけなんだけど」なーんて冗談を言っているそうな。

『レディ・プレイヤー1』の公開は4月20日(金)です。


Image: (C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED
Source: Twitter
Reference: 読売新聞

Germain Lussier - Gizmodo io9[原文
岡本玄介



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