米Google傘下のYouTubeの米国版の「Trending」(急上昇)で2月21日(現地時間)、フロリダ州パークランドの高校で14日に起きた銃乱射事件に巻き込まれた高校生としてインタビューを受けていたデビッド・ホッグさん(17)が「金をもらって被害者を演じた役者だ」とする動画がトップで紹介された。
この動画は約20万回再生された後、YouTubeのポリシーに違反するとして削除されたが、本稿執筆現在、YouTubeで「David Hogg」を検索すると、ホッグさんを役者だとする動画が多数残っていることが確認できる。
批判動画は、ホッグさんが昨年8月にもCBSのニュース番組に目撃者としてインタビューを受けていたことを彼を役者である証拠だとしている。また、他の動画やツイートでは、ホッグさんの父親が米連邦捜査局(FBI)の退職者であることから、父親がトランプ大統領の銃政策反対で息子を利用していると指摘するものもある。
ホッグさんは21日、CNNの報道番組に出演し、「私はクライシスアクターではありません。この事件(銃乱射事件)を目撃して生き残った1人です」、「私についてツイートしている人々と異なり、私も父もアメリカへの希望を捨てていません」と語った。
YouTubeは米CNNなどのメディアに対し、「この動画は“急上昇”に掲載されるべきではなかった。動画に正式なニュースソースからの映像が含まれていたため、システムが分類を誤った。問題に気づいてすぐに、ポリシー違反動画として“急上昇”とYouTubeから動画を削除した。今後もシステム改善に取り組んでいく」という声明文を送った。
YouTubeでは、虚偽動画やポリシー違反動画がすぐに削除されないことが、これまでにも問題になっている。昨年末には人気YouTuberのローガン・ポールさんが投稿した不適切な動画をYouTubeが削除するまでに約600万回再生され、対応の遅さが指摘された。
YouTubeは今年、不適切な動画をチェックする人間の担当者を1万人以上に増員すると約束している。
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