2018年2月22日木曜日

[ITmedia Mobile] “世界最小LTEスマホ”「Jelly Pro」が日本発売 購入&開封レポート

 「LTEスマートフォンで世界最小」をうたう「Jelly Pro」の正規品が、いよいよ日本で発売された。メーカーは中国の「Unihertz(ユニハーツ)」。2017年5月に米クラウドファンディングサイト「Kichstarter」で出資を募ったところ、目標の3万ドルを57分で達成して注目を集めた。

Jelly Pro 日本で発売された「Jelly Pro」(スカイブルー)

 日本ではAmazon.co.jpで販売されているものが正規品で、技適(技術基準適合証明等)も取得済み。Amazon.co.jpでの価格は1万3799円(税込)だが、2月22日時点ではパールホワイト、スカイブルー、スペースブラックの3色とも在庫切れ。購入者が2万9890円などで出品している状態となっている。

 筆者が2月20日未明に確認した時点ではまだ在庫があったので、思わずポチッと購入してしまった。そのサイズ感を試してみたかったのと、1万円台前半なので試しに買ってみるのもアリだと思ったからだ。

いざ、開封

 早速20日に商品が届いたので開封してみた。初めて見たときは、「これが本当にスマホなのか?」と驚いたほど小さかった。サイズは43(幅)×92.4(高さ)×13(奥行き)mmで、幅70mm前後が多い現行スマートフォンと比べて、数字だけでもいかに小さいかが分かる。「手のひらにすっぽり収まる」とは、まさにこのことで、オモチャのような感覚だ(褒め言葉です)。ポケットはもちろん、シャツの内ポケットにも収まりやすい。落とさないよう注意が必要だが。

 重量は60.4gとまずまずの重さだが、軽すぎるとホールド感が失われるので、ちょうどよい重さだと思う。

Jelly Pro 「iPhone X」と比較。大人と子どもほどのサイズ差だ
Jelly Pro フィーチャーフォンでも小型の部類に入る「premini-II」(中央)、「P252iS」(右)と比較

 付属品はユーザーガイド、背面カバーを外すためのピック、Micro USBケーブル。ACアダプターやイヤフォンは付いていない。なお12カ月間の保証期間があり、期間内に端末が破損した場合は、無償で修理または交換してもらえる。

Jelly Pro パッケージもコンパクト
Jelly Pro ユーザーガイドと12カ月保証について。全て英語で書かれている
Jelly Pro もう1つの箱の中に、Micro USBケーブルやピックが入っている

 本体を取り出して、いざ電源オン! とボタンを押しても、全く反応がない。Micro USBケーブルを挿しても充電されない。バッテリーがちゃんと装着されていないのか? と思い背面のカバーを開けたところ、何とバッテリーが袋に入ったまま装着されていた。

Jelly Pro バッテリーは袋に入った状態だった

 バッテリーを外すと、技適マークやmicroSD/nanoSIMスロットが姿を現す。ちなみに、Jelly Proの背面カバーは、付属のピックを使わないと外せない。右下のくぼみにピックを入れて、さらに1周回さないと外れないので、けっこう手間がかかる。

Jelly Pro 付属のピックを端末のくぼみに刺したまま外周を移動して、パコッとカバーを外す
Jelly Pro 技適マークと番号がしっかりと明記されている
Jelly Pro SIMスロット2つとmicroSDスロット
Jelly Pro バッテリーパックは取り外せる。容量は950mAhと少ない

基本スペック

 OSはAndroid 7.0、メインメモリは2GB、内蔵ストレージは16GB、バッテリー容量は950mAh、プロセッサはMediaTekの「MT6737T」(1.1GHz 4コア)。ディスプレイは240×432ピクセルの2.45型。カメラはアウトが800万画素、インが200万画素。3.5mmイヤフォンジャックも搭載している。LTEの対応バンドはFDD-LTEが1、2、3、4、5、7、8、12、17、19、20、TD-LTEが40。無印の「Jelly」もあるが、Proとの違いは、ストレージが8GBから16GBになったこと、メモリが1GBから2GBになったことだ。メモリが2GBあるのは、ある程度快適に操作するうえでは心強い。

Jelly Pro 底面。ストラップホールとカバー取り外し用のくぼみ
Jelly Pro 上面。イヤフォンジャックがある
Jelly Pro 左側面。Micro USB端子と電源キーがある
Jelly Pro 右側面には音量キーがある
Jelly Pro カメラとフォトライト
Jelly Pro 背面にスピーカーがある
Jelly Pro センサー型のホームボタン。充電すると赤く点灯する。左がクリアキー、右がタスクキー

技適の認証番号、総務省には登録されていない?

 余談だが、海外の新規参入メーカーが日本でスマートフォンを発売する際、技適マークにまつわるトラブルをよく目にする。UPQ Phone A01Flameでは、技適マークの表示に誤りがあって、製品を回収する事態になった。ただ、Jelly Proの技適マークを見る限り、UPQやFlameで見られた表示ミスはなさそう。

 では、「そもそも本当に技適を取得しているのか」も確認したくなってしまう。総務省のWebサイトで技適の認証番号から製品を検索できるので、Jelly Proの番号を入れたところ、ヒットしない。まだ製品が新しいからなのだろうか。Unihertzに確認のメールを送ったところ、「2月22日までは春節(中国の正月)のため、不在にしている」との自動応答が……。ならばと総務省の総合通信基盤局に問い合わせたところ、同省のデーターベースにJelly Proの番号は登録されていなかった。ん? ちょっと雲行きが怪しくなってきたぞ……。

 Jelly Proの技術基準適合証明番号は「205-170308」。この「205」から始まる番号は海外の認証機関で登録されたもので、総務省への報告に若干のタイムラグがあるという。担当者によると、205-170308に近い番号が、2月中旬に総務省へ報告された。この番号は2017年12月に海外の認証機関で登録されたものだった。Unihertzは公式Twitterアカウントで、2018年1月9日に技適を取得したと報告しているので、恐らく3月頃には総務省に報告が行くと考えてよさそうだ。

 ……とここまで書いたところ、Unihertzから返事が届いた。「We have already acquired the Japanese certificate for Jelly Pro.」とのことで、あらためて技適を取得したことが分かった。また、Amazon.co.jpでは現在在庫切れだが、間もなく再入荷するとのこと。

 気を取り直してバッテリーを装着して電源オン。ドコモ回線のSIM(本家spモードやMVNO)を入れて、データ通信ができたことも確認済み。もちろん通話も問題なくできた。ピクトエリアには「VoLTE」と表示されており、VoLTEでの通話もできるようだ。これから実際の使い勝手をじっくりレビューしていきたい。

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