平成の怪物が12年ぶりに見事な白星をつかんだ。
中日ドラゴンズの松坂大輔投手は4月30日にナゴヤドームで行われた横浜DeNAベイスターズ戦に先発登板し、6回3安打1失点に抑え、4241日ぶりとなる日本球界勝利を飾った。7四球と制球に苦しみながらも要所は締め、移籍以来最速の147キロをマークするなど力強い投球も時折見せながら強力ベイスターズ打線に最後までリードを許さなかった。
しかし水を差すようで申し訳ないが、これでかつての怪物級ピッチングが「完全復活」とはさすがに言い難い。全盛期のような相手を終始ねじ伏せる投球術ではなく、打者をかわしながら抑えるスタイルで何とか凌いだというのが正直な感想だ。
メジャーリーグ時代はトミージョン手術で右ひじにメスを入れ、昨季まで在籍した福岡ソフトバンクホークス時代に右肩痛で再三悩まされるなど37歳右腕は年を重ねるごとに体が悲鳴を上げている。それでも懸案だった右肩痛は昨オフに知人を通じて紹介を受けた権威ある医者の施術によって完治し、現状において最高のパフォーマンスを引き出せる状態までに回復。こうしたオフのケアが、この日の新天地初勝利に結び付いたのは言うまでもない。
印象的だったのは、松坂が手にしたウイニングボールを誰に渡すかと尋ねられたシーン。本人はその時、次のように応えている。
「実は今日は母親の誕生日なのですが、申し訳ないですけど家族に渡します。ボールは妻と子どもたちに渡したいと思います」
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