LONGHASHは4月20日に設立発表会を開催し、同社のサービス内容や設立背景、事業戦略について説明した。
左から、会長の谷家衛氏、代表取締役のクリス・ダイ氏、共同創業者のエミリー・パーカー氏。
LONGHASHは、ブロックチェーン技術の実用化の推進、技術者の支援を目的に設立されたニュースメディア。事業内容として、ブロックチェーンの国内外の最新情報を配信するメディア事業、SNSのデータなどを取り入れたデータ分析ビジネス、スタートアップを支援するインキュベーションセンターの3つを掲げている。
LONGHASHが提供する記事の一例
LONGHASHは、インキュベーションセンターを事業の主軸に位置づけているという
LONGHASH代表取締役のクリス・ダイ氏は、「ブロックチェーンがもたらす経済系の革新に期待と注目をし、ブロックチェーンの実用化を目標に運営する」とした。なぜブロックチェーンなのかという点については、特定の企業にデータを預け、安全性や使用方法をゆだねることへの危険性を指摘。ブロックチェーンは、分散型の共有データという観点を持って安全性を保ち、コスト低減も期待できると述べた。
LONGHASH会長の谷家衛氏は、海外と比較した日本のFinTechの投資額の少なさや、日本でIT人材が不足する現状を挙げ、「日本にとって一番大事なのは、海外の優秀な人たちに日本に来てもらうこと」と語った。起業者のうち半数が国外から集まるシリコンバレーのような環境を日本で作ることは難しいと谷家氏。しかしながら、日本では仮想通貨やブロックチェーンについて、国が規制ではなく推進の方向に動いており、この分野ならば海外から人材を呼び込めるのでは、とした。
日本のIT人材の現状
また谷家氏は、インターネットの壁にも触れた。「かつてのインターネットは個人のエンパワーメントが達成できたが、今のインターネットはあまりにも進みすぎてしまい、個人やスタートアップが何かを始める時に巨大な壁を感じる」(谷家氏)。続けて、「この分散型のブロックチェーンという技術は、唯一この壁を壊せる可能性がある」と述べ、「世界中のエンジニアや起業家が日本に来てくれるような環境を作れたら」と、LONFHASHの事業についての期待を語った。
LONGHASH共同創業者のエミリー・パーカー氏は、「ブロックチェーンについて本当に理解できている人はまだまだ少ない。特に一部の日本人はBitcoinなどの仮想通貨に対して悪いイメージを持っている」と、日本の現状を指摘。しかし、ブロックチェーンと仮想通貨は同じものではない。「さまざまな企業で活用できる分散型のブロックチェーンは、セキュリティなどの課題は多いものの、さまざまな問題を解決できる可能性を持つ重要な技術。これを広く知ってもらいたい」と、事業への意気込みを見せた。
ブロックチェーンの普及を目指すLONGHASH
LONGHASHでは、4月20日より英語版の記事配信を開始。日本語版の配信は夏を予定しているという。「アメリカや中国では、ベンチャーの起業家はほとんどがエンジニア。しかし、日本でのエンジニアは黒子のような立ち位置で、暗いイメージがある。そのような人たちにスポットライトを当てたい」とダイ氏。同社は、インキュベーションサービスを主軸としながらも、一般の人々にブロックチェーンの良さを理解してもらえるメディアサービスを目指すとしている。
CNET Japanで全文を見る
0 件のコメント:
コメントを投稿