2018年4月3日火曜日

[ITmedia News] 「国税庁URL変換器」個人が開発 旧URLから新ページにアクセス リニューアルの混乱受け

 国税庁のWebサイトが3月31日にリニューアルされ、ほぼすべてのURLが変わった。旧URLのページはすべてトップページにリダイレクトされ、サイト内検索でも旧URLのページがヒットするため、「トップページの無限ループ」「目的のページにたどり着けない」と利用者が困惑している。

 国税庁は「検索エンジン側にURL更新のリクエストを出している」としており、「新しいページの検索結果が蓄積されるまでの間(一般的には2週間程度)は、トップページのメニューから利用してほしい」と呼び掛けているが、解決までにはしばらく時間がかかりそうだ。(関連記事:国税庁Webサイト、全URL変更で混乱 サイト内検索も役立たず、「無限ループ」状態に)。

画像 検索エンジンや国税庁のサイト内検索では、旧URLがヒットする(3日午前11時時点)
画像 旧URLをクリックすると表示されるページ。すべて、トップページにリダイレクトされてしまう

 こんな状況を受け、エンジニアの「ぽち@pchw」さんが4月3日、国税庁サイトの旧URLを新URLに変換するサービス「国税庁URL変換器」を個人で開発・公開した。ブックマークや検索エンジンなどから旧URLをコピーし、フォームにペーストしてチェックボタンを押すだけで、同じ内容を収めた新URLのリンクを表示する。

画像 ぽち@pchwさんが開発した「国税庁URL変換器」
画像 旧URLを入力し、チェックマークボタンを押すと、新URLのページへのリンクを表示する

 普段はバックエンドエンジニアとしてTokyo Otaku Modeに勤めているぽち@pchwさん。国税庁サイトのリニューアルが話題になり、「これはひどい」などと批判を集める中、「愚痴を言うだけで終わるのではなく、エンジニアとして、何かしら別の手段で解決できれば」と、サービスの開発を思い立ったという。

 開発に当たり、新サイトと旧サイトのURLを眺めていると、類似する部分を発見。「サイトリニューアルで階層構造は変更されたが、URLの途中からは新旧サイトとも同じ構造になっている」と推測し、旧URLを新URLに「無理やり」変換する仕組みを開発したという。開発にかかった時間は「5時間ほど」だ。

 入力された旧URLは、サーバレスでコードを実行できる「AWS lambda」で受け取り、データベース(MongoDB Atlas)に保存してある新URLの一覧と曖昧にマッチング。クライアントサイドはすべて「AWS S3」に置いた。JavaScriptライブラリのReact.jsで構築し、UIフレームワークはFoundationを利用しているという。

 現在「約1万9000個のURLにマッチングを取ってる」状態。「もし旧URLを入力しても新URLが出てこないページがあれば、確認してルールを追加するので、サイト下部にある『お問い合わせ』から送って頂ければ」としている。

 ぽち@pchwさんは、開発の経緯をつづったブログ記事も公開。「ハッカー」という言葉には、「雑だけどうまく役に立つものを作る」といった意味があるらしい、と紹介した上で、「自分は、これからも愚痴をこぼす前に自分の行動で何かを変えていきたいと思っています」などとづつっている。

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