NECは2018年4月6日、リストバンド型のウェアラブルセンサーなどで取得した生体情報から、従業員の長期的なストレスを段階別に高精度に推定する技術を開発した。長期ストレスの増加や高ストレスになる兆候を早期発見し、ストレスリスクを低減できるという。
従業員の長期的なストレスを把握する方法として最も一般的なアンケートは、長期ストレスの程度を細かく導き出すことができる反面、回答者への負担などから頻繁には実施できないため、ストレスが高くなった人の発見が遅れる場合がある。
また、近年開発されたリストバンド型ウェアラブルセンサーによるアプローチでは、取得した生体情報から、ストレスが高い人と低い人の2段階に分別する技術は開発されているものの、ストレスが増加している過程など、細かい状態推定は困難で、高ストレスの兆候を検知するのが難しいという課題があった。
今回、NECは、センサーで取得した生体情報から長期ストレスを推定する際、より高精度に把握するため、機械学習によって、複雑な関連性を持つ生体情報からストレス値の細かい差異を捉える「生体情報特徴量」を抽出する手法を開発した。
この生体情報特徴量は、「大きなストレスを受けた後には、ささいなこともストレスに感じる」という心理学の知見を導入したものだという。生体情報の時間経過による変化を捉えることによって、長期ストレスの細かな差異を測定でき、高ストレスの兆候を含め、高精度な把握が可能になる。
同社内で、リストバンド型ウェアラブルセンサーを使って検証したところ、従来技術と比較し、より正確に長期ストレスを推定できたことを確認。また、アンケートによるストレス値と比較したところ、平均誤差±3.3で高精度に長期ストレスを推定できることを確認した。これは、高低の2段階しか区別できなかった従来技術に対し、同技術では6段階まで区別できることに相当するという。
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