東レは6日、炭素繊維の生産を拡大するため、子会社のハンガリー工場を増強すると発表した。投資額は約1億3000万ドル(約137億円)。欧州で風力発電の普及が進み、羽根の素材として軽くて強い炭素繊維の需要が増えているのに対応する。
米炭素繊維子会社ゾルテックのハンガリー工場内に新工場棟を建設し、2020年度初めに生産を始める。低コストで生産しやすい「ラージトウ」と呼ぶ製品を増産。同工場の年間生産能力は、現行の1万トンから1万5000トン強に増える。
ハンガリーは、デンマークやドイツに本社を置く供給先の風力発電設備メーカーに近い上、人件費も安いことから能力増強を決めた。ゾルテックは、ほかにもメキシコ工場の生産能力を5000トンから1万トンに増やす計画。2工場合計の能力は、2万5000トン強に拡大する。
東レは炭素繊維の世界最大手で、航空機や自動車、風力発電向けに需要が拡大する中で投資を拡大している。3月半ばにはオランダの炭素繊維加工大手、テンカーテ・アドバンスト・コンポジット・ホールディングスの買収を発表、同社で過去最大となる約1200億円を投じる見通し。20年3月期には炭素繊維関連事業の売上高を、18年3月期見通し比で45%増となる2600億円に引き上げる計画だ。
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