「デート・アプリ業界甘くみるなよ!」。
データ流出問題で責任を問われているFacebook(フェイスブック)。昨日の開発者向けカンファレンスF8で、新しく始めるサービスとして「デート機能」を発表したわけですが、「Facebookがさらにプライベートな個人情報を使おうとしている」とタイミングの悪さに人々は驚いています。
そのうちの一人が、Match Group(マッチ・グループ)社の株主過半数を保有するIAC社のCEO Joey Levin氏です。Match Groupはアメリカで人気のデートサービスであるTinderやOkCupid、そしてMatch.comを運営している会社ですが、Facebookがデータ機能を発表して株価を大きく落としました。Facebookと競合することになる、という市場の予測を反映したわけですがLevin氏も黙っていません。CNNの取材に対して「(デートビジネスに)ようこそ。機は熟してます。(Facebookの)プロダクトが参加すれば、アメリカとロシアの関係にさらに貢献してくれるでしょう」とかなり挑発的なコメントを出しています。
とはいえMatch.comも批判の的にさらされている最中であることは忘れてはいけません。つい先週、ユーザーが「削除」したはずの古いデート用のプロフィール・アカウントがMatch.com上で復活させられていることが発覚したのです。このミスによって、「削除」と言っておいてデータはずっと保存していることが判明。マッチ・グループ社のCEOであるMandy Ginzberg氏は次のようなコメントでFacebookに噛み付いているのですが、見事なブーメラン口撃にもなっていてなんともはやです。
Facebookが我々の分野に参入と聞いて誇らしく思っています。私たちに見えている世界規模のチャンスを彼らも目にしているということです。Tinderは急速に成長を続けています。この分野では個人的な、かつ繊細なデータを使うことからも、今回の(Facebookの発表の)タイミングに驚いています。我々は今後もプロダクト・イノベーションを通じて、恋愛関係の成功に一心にフォーカスし、それによってユーザーたちに喜びを届け続けたいと思います。この分野を我々以上に理解できている会社はありません。Facebookが参入することは我々にとっても励みになるでしょう。
FacebookもMatch Groupも顧客データの責任ある運用という点では失敗しており、この喧嘩においてどちらかの肩だけを持つのは難しいわけです。どちらが最終的にマーケットの勝者となるかはまだわかりませんが、敗者はデータをひたすらぞんざいに扱われ続けるユーザーであることは間違いなさそうです。
Image: Facebookニュースルーム
Source: CNN Tech, Twitter, TechCrunch
Hudson Hongo - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)
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