米Facebookは4月6日(現地時間)、“問題”関連広告の認可制度など、2016年の米大統領選でのロシア政府の介入やトランプ陣営下の企業による不正入手個人情報を使った有権者操作の再発防止対策を発表した。
選挙だけでなく、“問題”関連広告は事前審査と出資者の明示が必要に
同社は昨年10月、選挙に関連する広告の審査で、広告主に身元や本拠地などを含む詳細な資料を求めるプロセスを追加した。また、審査を通った広告には政治広告であることと、出資者情報の明示が義務付けられた。この対象に問題関連広告(issue ad)が含まれるようになる。
問題関連広告とは、政治だけでなく、世論を分断するような問題を取り扱う広告を指す。例えば人種問題、LGBT、銃規制なども含まれる。
2016年の米大統領選では、ロシア政府とつながりのある広告代理店が、黒人支援団体のデモへの参加を呼び掛ける広告などを出していた。
ページの過去の広告一覧が可能に
すべてのFacebookページについて、「広告アーカイブ」を閲覧できるようになる。現在カナダでテスト中の機能で、6月には世界で可能にする計画。ユーザーは「いいね!」していないページについてもそのページがどんな広告を出しているかを確認できる。
また、6月からは世界で政治広告のラベル付き広告を検索できる“政治広告アーカイブ”も開設する計画。
多数のフォロワーを擁するページの“身元確認”
一定数以上(その数字についてはまだ不明)のフォロワーがいるページに対し、Facebookによる審査・承認を義務付ける。これにより、偽アカウントでのページ立ち上げが難しくなる。
また、ユーザーはページが途中で名称を変更したかどうかなどの情報を確認できるようになる。
2016年の大統領選では、最初はペット情報ページとして立ち上げ、多数のフォロワーを獲得してから政治的な投稿で社会の分断を図ったページがあった。
マーク・ザッカーバーグCEOは同日、自身のFacebookで「これらの対策でも(Facebookの)システムを悪用しようとする人を阻止することはできないだろう。だが、ロシア人たちが偽アカウントで立ち上げたページの広告で2016年の選挙で行ったようなことの実施を難しくするだろう。だから、われわれはHonest Ads Acr(ネット広告規制法案)を支持する」と語った。
この法案は、2017年10月に民主党と共和党の両方の上院議員が議会に提出した、インターネット上の政治広告にも、新聞、テレビ、ラジオの広告と同じ情報開示のルールを適用することを義務付けるもの。Facebookは法案提出段階で既に支持を表明していた。
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