米国の10年物国債利回りが3%まで上昇したことなどを受け4月24日のダウ平均株価は前日比424.56ドル安となった一方で、ビットコインは4月25日の朝方、ここ1カ月で最高水準となる9700ドル台まで一時上昇した。
「米Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)が初めて仮想通貨トレーダーを雇ったことやロイターの調査で約20%の金融関連企業が1年以内に仮想通貨の取引を開始するかを検討していることが分かったことなどが、投資家の市場心理に変化をもたらし価格を押し上げた」──米ファンドBitBull CapitalでCEO(最高経営責任者)を務めるジョー・ディパスクェル氏の見解を米CNBCが報じた。
今後の見通しについては、さらに多くの企業が仮想通貨市場に参入してくるとみられる中、仮想通貨のバリュエーションは着実に向上していく可能性があるという。
米投資調査会社Fundstrat Global Advisorsの共同創設者であるトーマス・リー氏もゴールドマン・サックスが仮想通貨トレーダーを雇ったことを好意的に受け止めており、「主要投資銀行が仮想通貨取引に充てられる資金を十分に持っているサインだ」とした。
また、リー氏はFundstratが発表するBitcoin Misery Indexが最低水準にあることを示し、今がビットコインの買い時だとした。
Bitcoin Misery Indexは投資家のビットコイン保有における心理状況を図った指標で、数値は0〜100の間で推移。同指標が「27」を下回ると”悲惨”を意味し、0に近いほど「買い時」ともとれる。
先週金曜日の時点で同指標は「18.8」と、2011年8月以来の最低水準だった。
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