特集「あの職場が“楽しい”理由」:
「仕事が楽しい!」と思って働きたい。多くのビジネスパーソンがそう思っているのではないだろうか。みんながイキイキと働くことができれば、職場に活気があふれ、生産性向上も期待できる。社員が楽しく、快適に働くために、どんな取り組みや環境づくりが有効だろうか。事例から探る。
職場にはさまざまな人がいる。それぞれ事情が違う中で、みんなが働きやすい環境をつくるには、お互いに理解し合うことが必要だ。
そんな考え方で職場づくりに取り組んでいるのが、マースジャパンリミテッド(以下マースジャパン)だ。同社は、チョコレート菓子「M&M'S」「スニッカーズ」、ペットフード「シーザー」「カルカン」などを手掛ける米マースの日本法人。2005年から、「ペット同伴出勤」を認めている。
犬や猫はかわいいが、オフィスに連れてくるとなると、楽しいことばかりではないはず。なぜマースジャパンではペット同伴出勤ができるのか。どのように制度を運用しているのか。ペットと一緒に仕事をしているオフィスを訪ねた。
犬と猫がいるオフィス
取材当日は3頭の犬がオフィスに来ていた。最初に出会った2頭は1人の社員が連れてきた犬たち。臆病な性格のようで、少し怖がらせてしまったかもしれない。デスクワークをする飼い主の足元で、寄り添いながらおとなしく座っていた。
もう1頭は役員の小型犬。元気に動き回る。体が小さいため、飼い主の膝の上に乗ることも。人懐っこいようで、通りかかった社員たちが足を止めてかわいがっていた。
エントランスの近くには、“オフィス猫”の「きなこ」と「ちょび」の部屋もある。猫の部屋は隣の会議室とつながっており、取材中にちょびがふらっと遊びに来た。この2部屋のみ、猫が自由に行き来できるようになっている。
マースジャパンが「ペットフレンドリーオフィス」を作ったのは05年。マースグループはペットフードなどのペット用品を取り扱っていることから、グローバルで「A Better World for Pets(ペットのためのよりよい世界)」をビジョンとして掲げている。オフィス移転を機に、日本でもそのコンセプトに合った職場環境を整備することにした。動物が入れるオフィスビルは少なかったが、「ペットOK」を条件として移転先を探したという。
現在のオフィスには、16年5月に移ってきた。オフィスで飼っている猫2匹に加え、週1〜2日は社員のペットがいる。ペットがいるオフィスはすっかり定着しているが、どのような効果があるのだろうか。
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